研究課題/領域番号 |
16H04527
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
寺崎 正 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (00399510)
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研究分担者 |
菊永 和也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10581283)
古賀 淑哲 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (60356970)
坂田 義太朗 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (70636406)
藤尾 侑輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ付 (90635799)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | センサー・光機能材料 / トリリオンセンサ / 応力発光 / 3Dプリンタ |
研究実績の概要 |
本提案では、トリリオンセンサ時代(非連続的膨大多数のセンサ、年間45 兆個、現在の100 倍強/2023 年)を担う3 次元・集積センサの革新的作製技術の開発を目的としている。各課題の本年度成果は下記の通りである。 【課題1】3D 印刷による3 次元配線技術の確立と、センサ・給電デバイスへの応用、に関しては、印刷配線条件と導電性確保条件、の検討を行った。更に、導入するセンサ信号のバリエーションを増やすため、複数の磁性ナノ粒子を対象として印刷センサ配線・マイクロ構造形成に関して検討を行った。 【課題2】CAE 設計高度化に向けた3D 印刷による応力可視化センシングの確立に関しては、外表面、内部への応力発光センサの位置選択導入条件を明らかにした。検討すべき条件面は、下記のとおりである。 (1) 母材(ポリマー・接着剤)の種類 例)エポキシ、ウレタン、Si、シアノアクリレート系等について検討を行い、予兆の観点からエポキシ系の母材を選択した。 (2) 混入材の種類・サイズ(応力発光粒子) については、センサ発光輝度の観点から緑色応力発光体(1-3ミクロン、520nm発光)を選択した。(3) 粒子の表面修飾(粒子と光硬化樹脂間の力学伝達効率)については段階の煩雑さの回避、母体樹脂の選択により回避する事が出来た。 (4) 含有比率(粒子濃度)は、10-90%を検討し、脆性化を回避できる範囲において、発光輝度が最適になる条件を選択した。また、実際の3次元造形器物に対して、応力発光センサを3次元敷設することで、①造形様式に応じた強度(引張、曲げ塑性変形範囲)、破壊強度、②更に衝突等高速現象時のひずみ分布について応力発光計測することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
特に、【課題2】CAE 設計高度化に向けた3D 印刷による応力可視化センシングの確立に関しては、3D器物をCAE高度化に使うための指針を確立し、実際にH30年度に予定していた実試験に進み、3D構造体のひずみ分布に関して応力発光映像を得るに至った。この点、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については、計画に従って推進させる。 【課題1】3D印刷による3次元配線技術の確立と、センサ・給電デバイスへの応用 印刷配線、レーザー焼結、加熱焼結法を用いて、構造を損なうことなく導電性確保を行い印刷配線を達成する。それに対して、電気化学実験を行うい、印刷センサの実証を行う。 【課題2】CAE設計高度化に向けた、3D印刷による内部応力可視化センシング手法の確立 「3D印刷用応力発光インク」の確立、「応力可視化面の選択導入法」の確立、設計高度化に向けた「応力発光像とCAE比較」を行う。その中でも、最も重要なのは「応力発光像とCAE比較」である。3D印刷面の応力発光を実験力学情報(トレーニングデータ)とすることで、CAEの高度化に繋がるか、について検討を行う
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