化石燃料の価格や可採年数などの観点から,石炭火力発電は長期にわたって安定的に大規模発電を実現するのに適している。しかしその一方で,発電プラントはより一層大型化するため,高価なニッケル基合金ではなく,鉄基の耐熱合金(耐熱鋼)に対する依存度が高い。近年,石炭火力発電では,先進超々臨界圧(A-USC)発電技術の開発が国家プロジェクトとして推進されているが,主蒸気を発生させるボイラー等ではフェライト系耐熱鋼の需要が高い。しかし,従来のフェライト系耐熱鋼ではA-USC発電を長期間安定操業するのに十分な耐熱性が得られておらず,より耐熱性の優れた超フェライト系耐熱鋼の開発が切望されている。
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