• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

多彩な金属酸化物ナノフルイドを実現する有機分子表面修飾のデザイン手法

研究課題

研究課題/領域番号 16H04559
研究機関名古屋大学

研究代表者

高見 誠一  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40311550)

研究分担者 成 基明  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (30747259)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードナノ粒子 / 表面修飾 / 水熱合成 / 分散
研究実績の概要

2エチルヘキサン酸修飾酸化ジルコニウムナノ粒子を用い、様々な溶媒中における分散挙動を評価した。その結果、トルエン、クロロホルム、p-キシレン中には分散したものの、ヘキサン、ベンゼン、ピリジン、エタノール、水などには分散しなかった。これらの分散性評価の結果をもとに、ハンセン溶解度パラメータを求めた。さらに、COSMO-RS法を用いて表面修飾ナノ粒子と溶媒との親和性の評価が可能であるか調査を行なった。各溶媒に分散質を無限希釈した際の活量係数の自然対数を求め、これと実験より得た分散性が相関するか、評価を行った。その結果、溶媒分子と相互作用すると考えられる2エチルヘキサン酸分子を用いた場合は、分散性と無限希釈における活量係数の相関は良くなかった。そこで、酸化ジルコニウムナノ粒子のクラスター構造を作成し、これに2エチルヘキサン酸を結合した構造を用い、活量係数の自然対数を求めた。その結果、実験で求めた分散性と傾向が一致した。これは、2エチルヘキサン酸がナノ粒子と結合する部位は溶媒と相互作用しないため、分散には寄与しないためと考える。これより、COSMO-RS法を用いて表面修飾ナノ粒子の分散性を評価できる可能性が見出された。さらに、2エチルヘキサン酸のうち、ナノ粒子と相互作用すると考えられるカルボキシル基を除いた部分を用いて無限希釈時の活量係数を評価したところ、分散性と良い相関を与えた。これらの結果より、分散媒と相互作用する部分についてCOSMO-RS法を用いて無限希釈じの活量係数を評価すれば、分散性の指標となる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、表面修飾ナノ粒子のハンセン溶解度パラメータを求めると共に、COSMO-RS法を用いて各種溶媒中における表面修飾ナノ粒子の無限希釈時の活量係数を求め、これが実験で明らかにした修飾ナノ粒子の分散性と良い相関を示すことを明らかにするなど、修飾分子の設計を実現する指標の提案に成功したため。

今後の研究の推進方策

今後は、この手法が他の系においても適用可能かどうか評価するとともに、COSMO-RS法を用いた表面修飾分子の設計と、分散性の検証を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] Hydrothermal Synthesis of Organic-modified Metal Oxide Nanocrystals2017

    • 著者名/発表者名
      Seiichi Takami
    • 学会等名
      2017 International Conference on Nanospace Materials
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 超臨界水熱合成への反応工学的アプローチ2017

    • 著者名/発表者名
      髙見誠一
    • 学会等名
      化学工学会第49回秋季大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Supercritical Hydrothermal Synthesis of Organic-modified Metal Oxide Nanocrystals2017

    • 著者名/発表者名
      Seiichi Takami
    • 学会等名
      Supergreen 2017
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi