研究実績の概要 |
本研究ではすでに実用化されているゼオライトであるMFI型、MWW型、*BEA型に加え、実用化には至っていないが、高いポテンシャルを有し、劇的な性能向上により実用化が期待できるゼオライトである、RTH型、CON型を対象とし、ターゲットとするヘテロ原子は特異な触媒能を発現させるAl、Sn、Tiとし、①ゼオライト細孔内におけるヘテロ原子の位置を特定する構造解析手法の開発、②ゼオライト細孔内におけるヘテロ原子の位置を制御する調製手法の開発、③ヘテロ原子の位置制御によるゼオライトの触媒性能の劇的な向上に取り組んだ。 小細孔ゼオライトであるCHA型アルミノシリケートゼオライトはメタノールから低級オレフィンへの反応(MTO反応),Cuイオン交換することでNOX選択的還元(NH3-SCR) 用の触媒として注目されている.最近ではメタン転換反応によるメタノール合成反応に対しても活性があることが報告されている。CHA型アルミノシリケートゼオライトの合成方法はいくつか報告されている.Si源,Al源としては非晶質シリカ(Cab-O-Sil M5, Cabot),アルミン酸ナトリウム,水酸化アルミニウムの他、FAU型ゼオライトも用いることができる。私はCHA型ゼオライトのAl分布の制御を目標に、出発原料が合成されるCHA型ゼオライトのAl分布に及ぼす影響を検討したところ、原料中のFAU型ゼオライトの割合に依存して生成物中のAl 分布(Q4(2Al) 量)を精密に制御できることが分かった。すなわち、CHA型ゼオライトのAl分布を制御する手法の開発に成功した。
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