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2017 年度 実績報告書

トランスジェニック鳥類を用いたインフルエンザパンデミック防御

研究課題

研究課題/領域番号 16H04574
研究機関名古屋大学

研究代表者

西島 謙一  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10262891)

研究分担者 小野 悦郎  九州大学, 医学研究院, 教授 (00160903)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードニワトリ / ウイルス
研究実績の概要

データベース上に登録のあったニワトリムチン候補遺伝子のうち、細胞外に分泌するためのシグナル配列を確認できた遺伝子の発現を定量RT-PCR法により測定した。このうち、Muc13が鳥類でのウイルス感染の場でもある腸での発現が認められたため、遺伝子をクローニングした。クローニングした配列は、NCBIに登録された予測配列に比べ、N末端近傍に存在するTRドメインの繰り返し1回分に相当する20アミノ酸短いことが確認された。
次に、発現ベクターを作製し、ニワトリ細胞株DF-1、LMHで強制発現させたところ、ウエスタンブロットでMuc13の発現が確認された。分子量はタンパク質配列から計算される67kDよりはるかに大きな100kDa以上であったため、O型糖鎖が附加されていることが示唆された。また、67kDaよりも小さな分子量のバンドが検出されたことから、細胞膜型ムチンの特徴である開裂が起きているものと考えられた。さらに、Helaや293FTなどに導入したところ、細胞によってMuc13の分子量が異なったことから、糖鎖附加の状態が異なっていることが示された。
次に細胞内での局在を調べた。遺伝子導入した細胞を蛍光染色したところ、N末に付加した抗FLAG抗体による染色では、細胞全体と核周囲で蛍光が観察されたことから、mucin13は細胞質もしくはタンパク質輸送経路の細胞内小器官に多く局在していることが示唆された。一部は細胞膜上での発現が確認された。今後、ウイルス感染能に対する影響を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ニワトリムチンの基礎データとして発現解析とクローニングを行い、Muc13について細胞膜での発現と糖鎖附加を確認した。ウイルス抵抗性については未検討であるが、トランスジェニックニワトリ作製技術について進展があり今後ゲノム編集を含め効率よくニワトリ作製が可能となることが期待できる。

今後の研究の推進方策

ムチンの生理機能をin vitroで検証した後、始原生殖細胞を用いたゲノム編集によりムチンなどの発現を強化したニワトリの作製を試みる。また、他の遺伝子についても検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗ウイルスタンパクIFITMのニワトリホモログの解析2017

    • 著者名/発表者名
      奥嵜雄也, 木溪俊介,金岡英徳, 西島謙一, 飯島信司
    • 学会等名
      日本動物細胞工学会2017年度大会

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公開日: 2018-12-17  

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