研究課題
ハイパースペクトル(超多波長)センサで取得された地球観測データは、波長間で相関が高い疎な状態であるが、その処理を軌道上で実施するためのアルゴリズムを開発し、異常検知や地表面把握のための情報抽出を行うことで、データ量を削減することが可能である。本研究では、統計的性質に基づくデータ駆動型および物理化学的性質に基づくモデル駆動型の両面からアルゴリズムを発展・融合させ、なるべく超多波長データの情報量を落とすことなく、データ量を削減するソフトウェアを作成することを目的としている。データ駆動型アルゴリズムの研究では、アンサンブル学習を用いたデータ分類手法の研究を進めた。これは精度が高いにもかかわらず、計算コストが低いという利点を有している。ランダムフォレスト(RF)、ローテーションフォレスト(RoF)、エクストリームラーニングマシン(ELM)、およびRFとELMのアンサンブル、について大規模ハイパースペクトルデータを用いた評価を行った。高入力次元と限られたトレーニングデータを用いた結果を比較した。ノイズが多いデータについては、RoFが良好な成績を示した。平行して、上記のような画像処理をCPUではなく、FPGUを用いて実現するための検討を行った。高位合成を活用したプロセッシングエレメントの階層化アーキテクチャと特徴として、設置面積が小さく消費電力が小さいことが注目される。動的に再構成可能な技術で小さな設置面積が達成されたことを示した。
3: やや遅れている
データ駆動型アルゴリズムについて、さまざまな手法での検討を行っており、軽量なアルゴリズムが示されている。一方、データを取得するための実験がやや遅れている。
データ駆動型およびモデル駆動型アルゴリズムを組み合わせたハイブリッドアルゴリズムを開発すべく、それぞれの特性を明確にするとともに、頑強性の観点からさらなる研究を進める。同時に計算機に対する要求条件を下げるような検討も行いたい。
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