研究課題/領域番号 |
16H04604
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
篠田 岳思 九州大学, 工学研究院, 教授 (80235548)
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研究分担者 |
田中 太氏 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70432854)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | リスクアセスメント / Formal safety assessment / 海難事故 / 人的要因 |
研究実績の概要 |
大きく三つの研究項目について検討した。 1)認知・情報処理理論を基にした人的過誤モデルの構築については、人間の認知・情報処理理論に基づいた操船者の人的過誤モデルの構築について検討を行った。このモデルに基づいて、衝突海難データベースの再構築および整備・拡充をさらに進めた。また、データベース情報を元にしてGIS(Geographic Information System)による衝突海難データベースの構築について検討を進め、海難発生が危惧される海域での衛星画像の利用、について検討した。 2)海難事故の人的要因を考慮したリスク解析モデルの構築を行う。課題としては、海難事故の人的要因を考慮したリスク解析モデルの構築を図り、リスク解析に必要な確率的リスク解析モデルの構築および事象の生起確率値の整備を行った。課題としては、ベイジアン・ネットワークを用いた操船時の人的過誤のモデルがあるが、ベイジアン・ネットワークによる事象の遷移モデルによる表現は幾通りも考えられるが、理論上、好適なものについて検討を行った。また、事象の生起確率値の整備と精度向上について、特に未定義確率値を含む場合の確率値の変動について検討を行った。 3)リスクを軽減する改善対策の有効性評価と費用対効果の把握手法について、RCO(Risk Control Option)のリスク削減効果を見積もるためにRCOを導入した際のΔRの推定方法について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究課題として、1)認知・情報処理理論を基にした人的過誤モデルの構築、2)海難事故の人的要因を考慮したリスク解析モデルの構築、3)リスクを軽減する改善対策の有効性評価と費用対効果の把握手法について検討を行ったが、概ね順調に進展しているが、1)においては、課題としては、a)認知・情報処理理論に基づく人的過誤モデルの構築、b)情報処理モデルに基づく衝突海難データベースの再構築および整備・拡充をさらに進める必要があり、また、c)GISによる衝突海難データベースの構築としては衛星画像の利用についてさらに検討する必要がある。2)においては、さらに、a)ベイジアンネットワークを用いた操船時の人的過誤のモデル、b)事象の生起確率値の整備と精度向上、について取り組む必要がある。3)においては、a)RCOのリスク削減効果ΔRの推定方法の確立について検討し、b) GCAF(Gross. Cost of Averting a Fatality )の推定手法の確立について検討を行う必要がある。今後も継続的にモデルについて検討していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の検討結果を踏まえつつ、以下の大きく四つの項目について検討を進める。 1)認知・情報処理理論を基にした人的過誤モデルの構築を行う。課題としては、a)認知・情報処理理論に基づく人的過誤モデルの構築、b)情報処理モデルに基づく衝突海難データベースの再構築および整備・拡充、c)GISによる衝突海難データベースの構築としては衛星画像の利用、について検討する。 2)海難事故の人的要因を考慮したリスク解析モデルの構築を行う。課題としては、海難事故の人的要因を考慮したリスク解析モデルの構築を図り、リスク解析に必要な確率的リスク解析モデルの構築および事象の生起確率値の整備を行う。課題としては、a)ベイジアンネットワークを用いた操船時の人的過誤のモデル、b)事象の生起確率値の整備と精度向上、について取り組む。 3)リスクを軽減する改善対策の有効性評価と費用対効果の把握手法について検討を行う。課題としては、a)RCOのリスク削減効果ΔRの推定方法の確立、b) GCAF限界値の推定手法の確立、について検討を行う。 4)バックグラウンドリスクの推定と背後要因の把握について検討を行う。課題としては、a)衛星画像解析法、について精査を行う。
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