研究課題/領域番号 |
16H04605
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
柴原 正和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20350754)
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研究分担者 |
伊藤 真介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (50535052)
生島 一樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80734003)
大沢 直樹 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90252585)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 線状加熱 / 理想化陽解法FEM / シミュレーション / 残留応力 |
研究実績の概要 |
まず、1トーチを用いた任意形状完全自動作成シミュレーションについて検討した。本研究で開発された完全自動で任意形状が作成可能な線状加熱シミュレーションシステムを使用し、基礎形状である鞍型、椀型、ねじれ型の各曲面に対し、まずは計算上で、これらの形状が完全自動作成できるかどうか検討した。その際、線状加熱後の形状と目的形状(設計曲面)との差を算出し、それを基に本システムにより修正加熱方案を作成し、再度線状加熱を行うことで、目的形状に近づくシステムを構築した。 次に、残留応力および板内に溶接線がある場合について検討した。材料内に大きな残留応力場が存在する場合、それを無視して本システムを使用すると、その後の形状検証システムの結果と解析で得られた形状との間に大きな差が生じることになる。そこで、それぞれが本システムによる加熱条件選定に与える影響について検討することで、修正加熱回数が少なくなるような方策について検討した。さらに、材料内にある溶接線については、理想化陽解法FEM(熱弾塑性解析)を実施すると、その残留応力分布を容易に得ることができるため検討対象とした。 さらに、1トーチを用いた任意形状完全自動作成シミュレーションによる提案システムについて、妥当性検証を行った。ここでは、1トーチを用いたシミュレーション結果および実施工間に発生する作成誤差について明らかにした。その上で、その作成誤差を低減するための提案システムの改良を行った。その際、修正加熱方案を自動作成した上で、修正加熱を行い、作成された曲面と目的形状(設計曲面)を比べることにより、作成精度について再評価を行うシステムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までのところ、申請時の内容に加えて、近年の発展が著しいAIを用いた任意形状作成方法についても成果を挙げつつ有るため、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、申請内容に加え、近年急速に発展しているAI技術によって線状加熱において任意形状を得るための加熱方案を自動的に決定することを目的に,AIと非線形FEMを統合した発展システムの構築についても試みる.具体的には加熱位置と変形の関係をAIに学習させ,目的形状を得るための加熱方案を作成させる.そのため本研究では,AIの学習能力および学習方法について検討し,まずは、AIに熱と変形の関係を学習させることができることを明らかにする.また、AIの種類についても検討する。すなわち、全結合型ニューラルネットワークのみならず、畳み込みニューラルネットワークを用いることで,加熱位置と変形の関係についても検討する予定である。
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