研究課題
本研究では、鉱石粒子の分離手法として、粒子表面の濡れ性の違いを利用する浮遊選鉱(浮選)、水相と油相への粒子の分配率の違いを利用する液液抽出法、並びに、粒子間の密度差を利用するジグ選別の適用可能性を研究した。浮選の研究では、高圧水中条件への適用可能性を検討するため、固体表面の濡れ性を示す指標である、空気-水-硫化鉱物系の接触角を高圧条件において測定した。銅、鉛、亜鉛等を含む代表的な硫化鉱物の試料と、浮選に必要な捕収剤等を添加した水溶液(試験液)を使用し、大気圧から水深800m相当の圧力条件まで測定を行い、接触角に対する圧力の影響について検討した。また、高圧水中条件において発生させた気泡のサイズを計測するため、画像解析による気泡径計測を検討した。液液抽出法の研究では、高圧水中条件への適用可能性を検討するため、高圧条件下における油-水-硫化鉱物系の接触角を測定し、接触角に対する圧力の影響について検討した。空気-水-硫化鉱物系での測定と同様な鉱物試料及び試験液を使用し、大気圧から水深1600m相当の圧力条件まで測定を行った。また、海底熱水鉱床から採取された実鉱石を粉砕して調整した鉱石粒子を用いて液液抽出試験を行い、最適な抽出条件を検討した。ジグ選別の研究では、空気の吹き込みを必要としない水流式のジグ選別装置を想定し、簡易的な試験装置を製作して実鉱石粒子の選別試験を行うことにより、脈石となる密度の低い粒子の分離が可能となることを確認した。さらに、実鉱石粒子を含むスラリーを対象として、レーザー誘起ブレイクダウン分光法(LIBS)による品位計測試験を実施し、管内を流動するスラリー中の粒子の品位データを取得するとともに、品位データの取得に適したスラリー濃度の条件を見いだした。本計測手法を上記の分離手法と組み合わせることにより、鉱石粒子選別システムの基盤的技術の開発を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the ASME 2019 38th International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering
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10.1115/OMAE2019-95186
10.1115/OMAE2019-96040