研究課題/領域番号 |
16H04619
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
庄司 主 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00280602)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ダスト / ダイバータ / 熱負荷低減 / 周辺プラズマ |
研究実績の概要 |
平成29年度においては、当初の計画通り、主に試料駆動装置(10.5-L)の可動ロッド内部に布設するイメージファイバーを設計・製作した。また、当該研究計画に関連する研究成果を16th Internatiional Workshop on Plasma Edge Theory in Fusion Devices 2017(フランス・マルセイユ)等にて発表した。まず第1段階として、改良型イメージファイバーの設計作業を行った。可動ロッド内部に布設するために、ファイバーの細径化、先端部の短尺化、大気側フランジの小型化を図った。第2段階では、過去に大型ヘリカル装置(LHD)のLID(Local Island Diverter)ヘッドの監視に用いられていた真空対応の耐放射線イメージファイバーを分解する作業をおこなった。ファイバー先端部には長さ1000mm程度の長尺ロッドが取り付けられており、終端部には大型のICF304フランジが接続されていたため、そのままでは試料駆動装置の内部に収納不可能なのでこれらを撤去することとした。その後、第3段階として、ファイバーの健全性の確認(スクリーニング)をメーカー(三菱電線工業)にて行って頂いた。その結果、ファイバーには劣化がないことを確認した。第4段階として、このイメージファイバーを可動ロッド内部に布設する際に必要となる一部の真空部品を製作した。また、ファイバーの終端部に接続する高速カメラ用の架台および、耐放射線防護機器を製作した。今後は、このイメージファイバー用の残りの部材の製作および、これらの部材を組み合わせることによって完成させる予定である。来年度以降、これを可動ロッド内部に布設して、LHDのプラズマ放電中においてロッド先端部に設置された各種試料および、ダストホッパーを高速カメラによって観測する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では平成29年度中に、試料駆動装置(10.5-L)の可動ロッド内部に布設するイメージファイバーの設計と製作を完了する予定であった。メーカー(三菱電線工業)とともに本イメージファイバーの詳細な設計を進めていく途中において、いくつかの特注部材の調達と製作に予想以上の時間と費用を要することが判明したために、当初の計画の一部を遅らせざるをえなくなった。そのため、平成29年度では、イメージファイバーの詳細設計を進めるとともに、LHDで過去に使用されていた耐放射線イメージファイバーの分解作業と、その健全性の確認作業(スクリーニング)および、一部周辺機器の製作と高速カメラ用の架台・耐放射線防護対策用機器等の製作を平成29年度中に先行して行うこととし、イメージファイバー本体の製作と組み立てと布設は平成30年度以降に実施することにした。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度においては、主に試料駆動装置(10.5-L)の可動ロッド内部に布設するイメージファイバー用の各種部材(主に、大気側の差動排気ポート付きのフランジ部とロッド先端部)の製作を完了するとともに、本製品の全体組み立て作業を完了する計画である。同時に本製品の真空リーク試験と到達真空度を確認する予定である。また、もし可能であれば、試料駆動装置内部にイメージファイバーを布設して、LHDのプラズマ放電中において試料駆動装置の先端部に設置された各種試料の初期的な観測を高速カメラを使用して行いたいと考えている。
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