研究課題
平成30年度の研究実績は以下の通りである。1.新たに開発したトモグラフィー手法を用いて炭素不純物の3次元発光分布を得た。この結果、低荷数(C1+)の炭素はおもにダイバータレグ(ダイバータ板近傍)とストキャスティック磁場領域にわたって発光が分布していること、また、荷数が上がるにつれて(C2+, C3+)ダイバータレグでの発光は無くなり、より上流のX点とストキャスティック領域で発光が起こっていることがわかった。プラズマの密度を上げると、これらの発光はプラズマの閉じ込め領域の方向にシフトすることが明らかになった。2.ダイバータ板へのプラズマ粒子負荷の空間分布を調べた結果、外部摂動磁場を印加すると、摂動磁場のモード数に対応した形で粒子負荷の増加と減少が見られた。放射損失が増大してプラズマがダイバータ非接触状態に遷移すると、粒子束は全体として減少しつつ、その空間分布構造はトロイダル方向に36°移動することがわかった。ダイバータ板に接続する磁力線構造と比較したところ、長い磁力線が接続する箇所でより強い粒子負荷があり、摂動磁場を印加することによって、この磁力線の分布が変化することで上記のような分布の変動が起こっていると考えられる。3.不純物の発光・流れ分布の計測結果と3次元数値シミュレーションとの比較を進めた。その結果、発光分布については、不純物がダイバータ板から射出される時のエネルギーを、当初の予想よりも大きくすると実験とよい一致が見られることがわかった。一方、実験で観測された流れの向きについてはシミュレーションで再現されるが、流れ速度の絶対値についてはシミュレーションの結果は実験よりも大きな値となることがわかった。以上の結果から、3次元磁力線構造と放射損失分布、ダイバータ粒子・熱負荷分布の関係について理解が進展した。この他、ダイバータ熱負荷計測用の赤外線カメラの設置を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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