研究課題
事業化を目指した多段濃縮に当り、既に基本的にクリアしないといけない三大障壁①Ca濃度:ほぼ飽和水溶液の3.5M(30% w/w) ②分離係数:1.002~1.004(4段目・反応時間1分・室温) ③分配係数:2~15%を達成し、残る課題は、多段濃縮プロセスでの各段数でのCaの損失をいかに減らし、2相(有機相・水相)から回収Caを共に補いつつ、10倍濃縮に必要な段数:1000段~4000段でグラムオーダーでの回収量を達成するかによる。Ca濃度を維持(分配係数)したまま、同時に高い分離係数も保持できる新しい液液抽出法を開発し、溶媒等へのCa溶解による欠損も無いことも確認済で、水だけでCaをクラウンエーテルから脱着可能な本手法により多段化も可能となる。特筆すべきは①で、最大濃度である飽和水溶液で通水可能で、Ca濃度が樹脂法、電気泳動法と比較し、各々200倍及び800倍であり、2~3桁の生産量の優位性を有している。水相(3M塩化カルシウム水溶液)と有機相(0.07M DC18C6クロロホルム溶液)をシングルYタイプ-4cm合流長マイクロチップ上を層流送液し反応を室温で行った。流速30μl/分で送液(30分で1ml)し、層流送液後のCa濃度をICP-MSで測定した。従来のスターラーによるバッチ処理による液液抽出攪拌反応(30分)と同程度の15%分配係数(二層間Ca移行)を、攪拌無しの層流のみのわずか0.3秒(6000倍の高速)で得ることに成功し、10段に要する時間は約2時間で、10倍濃縮に必要な1000段も約1か月のプロセス時間で可能である。通常のバッチ法では実験室レベルでの結果が工業化の際にそのまま適用不可で、再度、原理実現性の検証が要求される。一方、マイクロリアクターは積層化により安価なチップ数を増やすだけで、実現性を確保したまま大量生産スケールアップが可能となる。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
2021年度 大阪産業大学人間環境学研究科, Anawat Rittirong, Study of isotope separation via chemical exchange and electrolytic enrichment(博士論文):日本原子力学会関西支部「第17回若手研究者による研究発表会」関西支部賞(奨励賞)
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京都大学複合原子力科学研究所「第57回学術講演会報文集」
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