研究課題/領域番号 |
16H04642
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
小原 伸哉 北見工業大学, 工学部, 教授 (10342437)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ガスハイドレート / 生成速度 / アクチュエータ / 排熱利用 / 低温排熱 / 未利用エネルギー / 小温度差発電 / 触媒層 |
研究実績の概要 |
1)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョンなどをバインダー(固着材)として、酸化鉄―炭素混合ミリング触媒層をスクリーン印刷法やホットプレス法などで炭素繊維に固着させた試料(ガスハイドレート生成層)を、フィン加工した伝熱プレート間に充填することでガスハイドレートの生成・解離速度の実験を行った。この結果、炭素繊維への触媒の固着条件により分散状態が大きく変化するものの、10%以内の生成速度の向上が見られた。 2)走査型電子顕微鏡を用いて触媒層の三相界面の状態を観察し、水分とGHの状態および挙動の可視化観察を行うことで、ガスハイドレートの生成時の成長および解離時の分解現象をミクロレベルで明らかにすることに挑戦したが、現在のところ整理できた結論を導くところまでは至っていない。次年度も継続して進める。 3)触媒層の三相界面の状態と活性化エネルギーの関係を、基礎的なガスハイドレートの生成実験とプレート型反応装置により明らかにするため、実験装置の整備と実験計画法による試験条件の感度を調査した。この結果、実験パラメータを最大で3つに絞って試験を実施中である。 4)触媒層の三相界面の状態が可視化できるまでに至っておらず、燃料電池のガス拡散層の三相界面の調査の例を参考にして、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定、ガス吸着法による比表面積および細孔分布測定、または高機能比表面積・細孔分布測定などの準備を進めている。上で述べた方法のうち、最も簡易で低コストの方法を決定して触媒層の三相界面の状態を間接的に調査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下に、本研究の進捗状況の理由を記載する。 本年度の計画(1)、ガスハイドレートの生成・解離速度の実験:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョンなどをバインダー(固着材)として、酸化鉄―炭素混合ミリング触媒層をスクリーン印刷法やホットプレス法などで炭素繊維に固着させた試料(ガスハイドレート生成層)を、フィン加工した伝熱プレート間に充填することでガスハイドレートの生成・解離速度の実験を行った。この結果、炭素繊維への触媒の固着条件により分散状態が大きく変化するものの、10%以内の生成速度の向上が見られたものの十分とはいえない。 本年度の計画(2)、ガスハイドレートの生成時の成長および解離時の分解現象をミクロレベルで明らかにする:走査型電子顕微鏡を用いて触媒層の三相界面の状態を観察し、水分とGHの状態および挙動の可視化観察を行うことで、ガスハイドレートの成長と分解現象をミクロレベルで明らかにすることに挑戦したが、現在のところ整理できた結論を導くところまでは至っていない。 本年度の計画(3)、触媒層の三相界面の状態と活性化エネルギーの関係を明らかにする:基礎的なガスハイドレートの生成実験とプレート型反応装置により明らかにするため、実験装置の整備と実験計画法による試験条件の感度を調査した結果、実験パラメータについては絞れたが試験は実施中である。 本年度の計画(4)、触媒層の三相界面の状態を可視化する:可視化に至っておらず、燃料電池のガス拡散層の三相界面の調査の例を参考にして、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定、ガス吸着法による比表面積および細孔分布測定、または高機能比表面積・細孔分布測定などの準備を進めている最中である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の計画(1)の「ガスハイドレートの生成・解離速度の実験」と本年度の計画(2)の「ガスハイドレートの生成時の成長および解離時の分解現象をミクロレベルで明らかにする」については、実験の協力者を増やすことで次年度の早い時期に終わらせる。また、本年度の計画(3)の「触媒層の三相界面の状態と活性化エネルギーの関係を明らかにする」についても実験の協力者を増やして、基礎的なガスハイドレートの生成実験と応用的なプレート型反応装置の試験を大きく進展させる。本年度の計画(4)の「触媒層の三相界面の状態を可視化する」については、早急に燃料電池のガス拡散層の三相界面の調査の例を参考にした、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定、ガス吸着法による比表面積および細孔分布測定、または高機能比表面積・細孔分布測定の実施方法を把握して、いずれかの準備を進めて研究を進める。 さらに、いくつかの新しい知見が得られているので、それぞれについて国際会議や学術講演会などで公表する。結果が整理できたものについては、論文にまとめて発表していく。
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