研究実績の概要 |
平成29年度については以下の研究を実施した。1)ガスハイドレートの生成速度を活性化する触媒層の界面構造と、ガスハイドレートの生成反応および解離反応についてフガシティモデル(Englezos et al, Che. Eng. Sci, 75, 1997)、物質移動モデル(Matthew et al, Che. Eng. Sci, 60, 2005)、野尻・佐藤(東京大学修士論文,2014)のモデルに基づいてモデリングした。この結果、ガスハイドレートの生成および解離過程の状態変化を一定の精度で予測できるようにした。しかしながら、未知のパラメータの存在があるものと予想され、この扱いについて多くの時間を使って調査した。2)ガスハイドレートの生成は氷点近傍の水中で大きく成長し、この生成反応は発熱を伴うことから、三相界面での温度場に伝熱制御を導入して管理した。三相界面での伝熱制御方法を解明するために、高精度の赤外線サーモグラフィーにより触媒層の熱の状態を把握できるように工夫した。温度場が低温であるため、熱電対などの他の温度測定結果と比較することで試験を繰り返した。3)ガスハイドレートを媒体とする理論熱サイクルおよびエネルギー貯蔵の性能を、実験結果に基づいて推察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の進捗状況は以下のとおりである。 研究計画 1):ガスハイドレートの生成速度を活性化する触媒層の界面構造と、ガスハイドレートの生成反応および解離反応についてフガシティモデル(Englezos et al, Che. Eng. Sci, 75, 1997)、物質移動モデル(Matthew et al, Che. Eng. Sci, 60, 2005)、野尻・佐藤(東京大学修士論文,2014)のモデルに基づいてモデリングし、ガスハイドレートの生成および解離過程の状態変化を一定の精度で予測できるようになった。一方、作成したモデル内のパラメータだけでは説明がつかない部分があり、この扱いについて仮説を立てて説明することとした。 研究計画 2):ガスハイドレートの生成は氷点近傍の水中で大きく成長し、この生成反応は発熱を伴うことから、三相界面での温度場に伝熱制御を導入した。三相界面での伝熱制御方法を解明するために、高精度の赤外線サーモグラフィーにより触媒層の熱の状態を把握できるように工夫した。しかしながら温度場が低温であるため、赤外線サーモグラフィーだけでは高い精度を得られないので、熱電対などの他の温度測定結果と比較することで試験結果を得た。 研究計画 3):ガスハイドレートを媒体とする理論熱サイクルおよびエネルギー貯蔵の性能を、実験結果に基づいて推察することができた。
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