二酸化炭素ガスハイドレートの温度-圧力状態図を実験で確認し、この図から得られる理論熱サイクルを明らかにした。上で述べた熱サイクルでは相変化の応答時間が不明確なため、反応速度を実験により明らかにした。ガスハイドレートの相変化は解離反応と生成反応で構成されるが、これまでの研究成果から、長い時間を要する生成反応の速度を安定して高速化することができた。したがって、本年度の研究目標であった「実験により熱サイクルの性能を確認することでモデリングの妥当性を検証する」という課題については概ねクリアすることができている。 次に、当初の研究目標であった「ガスハイドレートによるエネルギー貯蔵密度とエネルギー輸送量の実験を行い、モデリングの妥当性を検証する」という課題であるが、エネルギー貯蔵密度については、上で述べた相変化の反応速度が明らかになったことで、概ね知ることができた。エネルギー貯蔵密度が見積もりできるようになったため、ガスハイドレートによるエネルギー輸送特性も明らかとなった。 今年度は、研究成果を学術講演会、国際会議及び論文で公表することも目標としていたが、多数の学術講演会と複数の国際会議に参加して、研究成果を公表した。また、学術論文については非常に高いインパクトファクタの国際誌に掲載することができた。
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