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2017 年度 実績報告書

触覚受容に必要な分子の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16H04657
研究機関青山学院大学

研究代表者

平田 普三  青山学院大学, 理工学部, 教授 (60402450)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード遺伝学
研究実績の概要

本研究では触覚受容に必要な分子を同定し、その機能を解析することを目的としている。昨年度に引き続き順遺伝学の手法を採用して、触刺激応答に異常のあるゼブラフィッシュ変異体の単離を進めた。触刺激に対する応答以外にも光刺激、音刺激、匂い刺激、水流刺激などた他の体性感覚刺激に対する応答も観察し、触刺激応答に異常があるだけでなく、他の感覚刺激応答にも異常があるかを解析した。また、ゼブラフィッシュ稚魚の皮膚を除いて筋を露出させた状態で筋のリアノジン受容体を直接活性化するカフェインに暴露させて応答を観察することで、筋のアクチンやミオシンの変異など運動器に異常があるのか、それともそれよりも上流の神経系に異常があるのかを区別した。前者は目的とする触覚受容研究の対象ではないので、この先の解析対象から除外し、後者を解析した。次に変異体の原因遺伝子を同定するために変異のキャリア個体を遺伝的多型の多い野生型系統と交配して、変異をヘテロにもつF1個体を得て、F1同士を交配してF2世代でホモ変異体を得た。F2ホモ変異体からゲノムを抽出し、あらかじめゲノム上にデザインされたマイクロサテライトマーカーを用いたPCRによるラフマッピングで変異の乗る染色体を同定した。ゲノム中に見つかるCAリピートに注目してマイクロサテライトをデザインして、さらにマッピングを進めることで、ゲノム中の500 kb程度の領域に変異を絞ることができた。その領域には遺伝子は多くても10個程度しかないので、予想される機能に注目して優先順位を決めつつ、各遺伝子のcDNAを野生型および変異体からクローニングして、シーケンサで塩基配列を決定し、変異を探索した。これにより、本研究で得られた変異体系統のうち1つは染色体5番の中でも特定の400 kbの領域にしぼられ、その領域に存在する小胞体タンパク質をコードする遺伝子に変異があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

もともと予定していた研究を遂行する中で、特に当初予期していなかった実験結果は得られていない。おおむね予想通りに研究が進捗していると言える。

今後の研究の推進方策

次年度も引き続き、ゼブラフィッシュ変異体の単離を行い、それらを効率的に分類して、本研究目的に沿うものを選別して解析に回す。解析が先行している変異体については責任遺伝子の同定まで進んでいるので、発現部位の解析や機能解析を計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The AAA+ ATPase/ubiquitin ligase mysterin stabilizes cytoplasmic lipid droplets.2019

    • 著者名/発表者名
      Sugihara, M., Morito, D., Ainuki, S., Hirano, Y., Ogino, K., Kitamura, A., Hirata, H. and Nagata, K.
    • 雑誌名

      J. Cell Biol.

      巻: 218 ページ: 949-960

    • DOI

      10.1083/jcb.201712120

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional consequence of the postnatal switch from neonatal to mutant adult glycine receptor a1 subunits in the shaky mouse model of startle disease.2018

    • 著者名/発表者名
      Schaefer, N., Zheng, F., van Brederode, H., Berger, A., Leacock, S., Hirata, H., Paige, C. J., Harvey, R. J. Alzheimer, C. and Villmann, C.
    • 雑誌名

      Front. Mol. Neurosci.

      巻: 11 ページ: 167

    • DOI

      10.3389/fnmol.2018.00167

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Characterization of the zebrafish glycine receptor family reveals insights into glycine receptor structure and stoichiometry.2018

    • 著者名/発表者名
      Low, S. E., Ito, D. and Hirata, H
    • 雑誌名

      Front. Mol. Neurosci.

      巻: 11 ページ: 286

    • DOI

      10.3389/fnmol.2016.00050

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ゼブラフィッシュを用いたカルシウム動態制御と筋疾患の研究2018

    • 著者名/発表者名
      平田普三
    • 学会等名
      第4回日本筋学会学術集会
    • 招待講演
  • [図書] Zebrafish, Medaka, and Other Small Fishes: New Model Animals in Biology, Medicine, and Beyond2018

    • 著者名/発表者名
      Hirata H and Iida A (Ed)
    • 総ページ数
      315
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      9789811318788

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公開日: 2019-12-27  

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