ゲノム刷り込みは哺乳動物に特異的な遺伝子発現制御機構で、刷り込み遺伝子は片親のアリルから排他的に発現することが生殖細胞の発生段階で決定づけられている。刷り込み遺伝子近傍には連続した複数のマイクロRNA(miRNA)遺伝子がコードされているケースが散見され、これらの遺伝子群をmiRNAクラスターと呼ぶ。マウスでは胎盤形成に必須の刷り込み遺伝子であるSfmbt2遺伝子内部に70個以上のmiRNA遺伝子を含むマウスゲノム最大の大規模miRNAクラスターが存在するが、その発生過程における機能は未解明である。本研究では、この巨大なmiRNAクラスターの胎盤形成における役割を明らかにした。
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