研究課題/領域番号 |
16H04699
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 大阪市立大学 (2017-2018) 東京理科大学 (2016) |
研究代表者 |
大谷 直子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50275195)
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研究分担者 |
蒲池 史卓 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00747800)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | がん微小環境 / 細胞老化随伴分泌現象 / IL-33 |
研究成果の概要 |
申請者らはマウスモデルにおける高脂肪食誘導性肝がんにおいて、肝星細胞が細胞老化とSASPを起こし、肝がん促進的な微小環境が形成されることを明らかにした。しかし、その分子メカニズムの詳細は十分には解明されていなかった。申請者 らはこのがん微小環境における肝星細胞で著しく高発現しているサイトカインIL-33に注目し、まず、これまで未知であった肝星細胞からIL-33が放出される分子機構を明らかにした。さらに、肝がん微小環境におけるIL-33の標的細胞として、IL-33レセプター陽性の制御性T細胞を同定した。この制御性T細胞が抗腫瘍免疫を抑制し、肥満関連肝がんの進展を促進する可能性を明らかにした。
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自由記述の分野 |
がん微小環境
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IL-33をプロセシングし、活性化型にするプロテアーゼもIL-33の発現細胞で同時にSASP因子として発現していることがわかり、SASP因子同士の協調作用という興味深い新規知見を得ることができた。また、IL-33を含むSASP因子が老化肝星細胞から放出される分子機構を明らかにし、SASP因子の放出抑制が癌抑制につながる可能性を見出した。本研究により腸炎やアレルギーだけでなく、がん進展にIL-33-ST2経路が関与することが明らかになり、この経路が抗腫瘍免疫を標的とした新規がん治療法の開発につながる可能性がある。
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