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2016 年度 実績報告書

人工ヒトがん幹細胞の合成致死性を指標とするがん根治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H04701
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

清野 透  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (10186356)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードがん幹細胞 / ヒト正常細胞 / 合成致死
研究実績の概要

ヒト正常膵管上皮細胞(HPDEC)、子宮頸部上皮細胞(HCK1T)などの正常上皮細胞にER-KRASG12Vを導入すると4OHT添加によりKRASを活性化するとmethuosisが誘導されることを確認した。これらの細胞に、tetOFFシステムで発現調整可能なE6E7+MYCを導入し、DOX除去(E6E7+MYC発現ON)の時のみmethuosisが回避されること、DOX添加(E6E7+MYC発現OFF)によりmethuosisが誘導されることを確認した。HCK1Tではこのような細胞が容易に樹立できたが、HPDECでは継代中にmethuosisに抵抗性の細胞が予想外に出現しやすく、E6E7+MYC発現によりmethuosisを抑制がかかる細胞の樹立に難航している。そこで、E6E7+MYC発現によりmethuosisの制御が可能なHCK1Tを用いて進めることにした。In vovoの条件に近い3次元培養(raft culture)による扁平重層上皮を再現し、methuosisが誘導されるか否かを調べた。Doxycyclin(Dox)-, 4OHT+ (E6E7+MYC発現ON, KRAS活性化)状態ではがん細胞の粘膜下浸潤を思われる組織像を示した。ここでDox+, 4OHT+(E6E7+MYC発現OFF, KRAS活性化)にすると上皮細胞層に大きな空胞を持つ細胞が出現し、methuosisが誘導されたことが示唆された。
予定していたヒト正常膵管上皮細胞(HPDEC)で同様の細胞の樹立を進めると共に、HCK1Tを用いてnudeマウス移植による組織像を確認する。2年目はCas9/gRNAによる合成致死screeningを予定していたが、HPDECでの細胞樹立が進んでいないため、H29年度とH30年度の計画を入れ替え、当初H30年度に予定していた肺がんモデル細胞の樹立を先行することにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膵管上皮細胞を用いた計画が予定通り進んでいないが、その代わり子宮頸部上皮細胞を用いた計画が進行している。

今後の研究の推進方策

膵管上皮細胞を用いた計画が予定通り進んでいないため、H29年度に予定していたCas9/gRNAライブラリーによるscreeningを延期し、その代わりH30年度に計画していた肺上皮幹細胞を用いたin vitro発がんモデルの作成をH29年度に進める。並行して遅れている膵管上皮細胞のin vitro発がんモデルの作成を進め、H30年度にCas9/gRNAによるscreeningが開始できるように準備を進める。
培養に成功した末梢型(TRU type)肺腺がんの起源細胞を用いて、TRU type肺腺がんにはKRAS変異以外に、EGFRの変異や増幅が高頻度に見られる他、近年ALK-, RET-, ROS-融合遺伝子などが見つかっている。これらの変異はKRAS変異と排他的に観察され、KRAS変異と同一経路の活性化をもたらす変異である。そこで、HPV16 E6,E7, MYCの3因子に加え、KRAS, BRAF, EGFR, ALK-, RET-,ROS-融合遺伝子を加えたベクターをヒトBASC候補細胞に導入し肺腺がんiCSCを樹立する。活性型BRAF, EGFRやALK-, RET-, ROS-融合遺伝子を発現する各iCSC細胞に対し対応するキナーゼ阻害剤が特異的に増殖抑制活性を示すかを調べる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 国立がんセンター研究所 発がん・予防研究分野HP

    • URL

      http://www.nccri.ncc.go.jp/s003/

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公開日: 2018-01-16  

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