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2017 年度 実績報告書

コヒーシンアセチル化酵素による転写調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H04718
研究機関東京大学

研究代表者

坂東 優篤  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (90360627)

研究分担者 中戸 隆一郎  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60583044)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードコヒーシン / アセチル化 / メディエーター / 転写 / MCMヘリカーゼ
研究実績の概要

エンハンサー(5xGAL4UAS)及びプロモーターを持つDNAを利用したin vitro転写反応系では、コヒーシンローダーNipbl-Mau2は、アクチベーターに依存し転写開始前複合体と共にDNAに結合する。この結合には転写に必要なCDKの活性は必要とせず、エンハンサーとプロモーター間の距離が500bpまでは離れていても変化は見られなかった。コヒーシンローダーは、エンハンサーのみに依存しDNAに会合すること、in vitroで形成した複合体からの精製でメディエーター複合体のkinase moduleと強い相互作用が見られた。コヒーシンローダーは、mediator複合体を介してPIC複合体形成制御に関わり、その後に続くRNApol2の活性の厳密な制御に関わる可能性を示した。
コヒーシンのアセチル化酵素の一つESCO2は、MCMと相互作用し、安定化する。この相互作用に、CDC7やCDK2の活性は必要なく、複製開始前にすでにクロマチンに結合したMCMにESCO2は結合し、安定化することが新たに分かった。反対にDNA複製後のMCMから乖離したEsco2は、Cul4-VPRBPユビキチン経路により分解される。実際、ESCO2とVPRBPの相互作用が見られ、G2期とCUL4ノックダウン下ではその結合量の増加が見られた。さらに、Cul4の分解を抑制すると、G1期に持ち越されたEsco2がAPC経路により分解される事が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

In vitro転写系から精製し、質量分析装置により網羅的に解析する手法を確立できた。またEsco2の精製から相互作用の同定とその制御機構の新たな知見を得る事に成功し、論文投稿まで進める事が出来た。また、この成果は、新たなコヒーシンアセチル化制御メカニズムの解明へ切り込む一歩となり、次の研究の展開が期待できるものであった。

今後の研究の推進方策

In vitro系を用いたタンパク質精製を利用し、転写制御におけるタンパク質のネットワークを明らかにする。また、Esco1とEsco2に関しては細胞レベルで細胞周期同調及び転写阻害の系で新たな因子の精製、またEscoノックダウン下でのコヒーシン、ローダー及びCTCFに結合する相互作用因子の探索を行う。また、これまでの成果を踏まえEsco2のMCM非結合変異、分解抑制変異など、制御に必要なドメインを同定する。以上の研究により新たに同定されたタンパク質について、コヒーシン(アセチル化)局在、転写活性、染色体構造に対しての影響を検証する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Analysis of Cohesin loader on transcriptional regulatory complex during the activation in vitro system2017

    • 著者名/発表者名
      Masashige Bando
    • 学会等名
      SMC proteins
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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