研究課題
日本人を対象とした大規模な遺伝学的研究により発見した虚血性心疾患(CAD)感受性分子をターゲットとした創薬研究を進めてきた。この研究によりによりCADはもとより広く動脈硬化性疾患に対して予防効果も含めた治療薬の開発を目指している。一つのターゲット分子は日本人で最も強いCAD感受性を示すBRAPであり、この分子と結合する炎症関連する中心的な分子IkB-beta (NFkBIB)に介入できる低分子化合物のスクリーニングを網羅的に進めてきた。本研究で独自に開発した高精度BRAP-IkB-beta結合アッセイEnzyme-Linked Immuno Sorbent Assay(ELISA)系を用いて、東京大学創薬機構より提供を受けた10,000化合物およびそこから絞り込んだ化合物の類似体群について結合阻害分子群の選別を行ってきた。これまでの結果として4個の化合物がBRAP-IkB-betaの結合を75%~90%程度阻害することを発見している。さらにこれらの低分子化合物はヒト血管平滑筋細胞の増殖を有意に阻害することも見出している。一方、もう一つの創薬ターゲットであるCAD関連FURIN分子についてはLDLコレステロールレセプター(LDLR)との結合に介入できる低分子化合物の同定を目指して解析を進めてきた。この系についても本研究にて独自に高精度な結合アッセイELISA系を構築した。まず初めに東京大学創薬機構より提供を受けたコアライブラリ10,000低分子について阻害活性を指標にスクリーニングを進めた。しかし、この10,000コアライブラリの中にはFURIN-LDLRの結合に介入できる化合物が存在しない事を確認した。そこでさらに東京大学創薬機構よりさらにAdvanced コア低分子化合物ライブラリ22,400種類の提供を受けELISAスクリーニングを行っており、阻害候補低分子を選別するところまで進めてきた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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