研究課題
本年度は、ドチザメナノボディ開発の基盤データと なる、世界初のドチザメ血球細胞由来RNAを用いた次世代シークエンサーによる、ドチザメ科4種の免疫系のwhol e transcriptome解析を行った。ドチザメの飼育および採血は、愛媛県栽培資源研究所と共同で行った。I.ドチザメ科サメ4種の免疫系遺伝子発現解析1) 免疫系遺伝子群の評価:ドチザメ科4種類(ドチザメ、シロザメ、ホシザメ、エイラクブカ)からそれぞれ採血し、挑戦的萌芽予算で確 立したドヂザメ血液からのRNA単離法を用いて、DNAのコンタミを極力無くした単離RNAを材料に、Illumina社HiS eq1500によるRNA-seq解析を行い、これまでにサメでは報告のなかった、Toll様受容体などを新たに見出すことに成功した。2) 完全長ドヂザメナノボディ遺伝子のクローン化:ドチザメ以外のシロザメ、ホシザメ、エイラクブカのナノボディ遺伝子(完全長の場合IgNAR遺伝子と)の配列 は未知であった。I-1)で得られた配列データからプライマーをデザインし、最終的RT-PCRにより完全長ナノボディ 遺伝子を単離するができた。3)免疫抗原応答性ドチザメナノボディ遺伝子発現解析:本年度は、モデルとしてGFP抗原を用いて実験を行った。 複数匹のドチザメ科4種の抗原GFP免疫の前後の血液を採血し、新たにドチザメナノボディ認識抗体を用いて、抗原により誘導されたナノボディを検出することができた。その結果、1種類のドチザメ種において、抗原依存的なナノボディの産生が確認できた。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定通り、研究は進んでいる。ドチザメナノボディおよびigWを認識する抗体産生に成功し、サメの種類によっては、ナノボディよりもIgWの誘導が多い種がいることには驚きであった。
平成29年度は、ドチザメナノボディの単離および評価系構築を行う。これにより、4種のドチザメナノボディの抗体価などの評価ができると同時に、組換え単一ナノボディの選抜が可能となるため、我々が既に保持している抗体との比較から、サメを免疫生物種とすることによる、抗原性の広がり、抗体価、安定性など、ドヂザメナノボディの利点と欠点を評価できるものと思われる。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件) 備考 (1件)
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