研究課題/領域番号 |
16H04729
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
澤崎 達也 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (50314969)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タンパク質 / ナノボディ / 無細胞 / 抗体 / サメ / Fukabody / ドチザメ |
研究実績の概要 |
前年に、ドチザメ科のエイラクブカ、シロザメ、ホシザメの3種のRNAを混合したサンプルを用いて、免疫関連遺伝子群およびドチザメ抗体(Fukabody)遺伝子のwhole transcriptome解析を行った。本年度は、Fukabodyの評価系の構築を目指し、ドチザメ科IgNAR遺伝子のクローニングを行った。さらにVenusタンパク質をモデルに、エイラクブカのFukabodyの単離、抗体価評価に成功した。得られた抗VenusFukabodyを用いてFukabodyの評価系の構築を行った。 II.Fukabodyの評価系の確立 1) Fukabody検出抗体の構築 前年度の配列情報を元にRT-PCRを行った結果、ホシザメ、エイラクブカのIgNAR遺伝子のクローニングに成功した。得られた遺伝子配列情報を元に、エイラクブカのIgNARのコンスタント領域のタンパク質を大腸菌で合成し、ウサギに免疫し、抗エイラクブカIgNAR認識2次抗体の作製を行い、その結果、3種のFukabody遺伝子の配列情報とホシザメ、エイラクブカのIgNAR遺伝子のクローニングに成功した。 次に、Venusタンパク質をそれら3種のサメに免疫した結果、エイラクブカの血液中に抗原依存的なIgNARの誘導が確認されたので、免疫したエイラクブカの脾臓を単離し、Fukabody遺伝子領域をPCRで増幅し、ファージライブラリーを作製し、Venusタンパク質に結合するFukabodyを3種類単離することに成功した。 得られたFukabodyを抗体評価を行ったところ、Fukabodyは80℃で1時間ボイルしても活性を保持しており、抗体価は平均で約10E-08であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通り進み、抗原に特異的結合するFukabodyの単離に成功した。また、Fukabodyタンパク質の発現系の構築に成功し、mgオーダーでFukabodyが生産できる体制が確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、抗原に結合したFukabodyの構造解析を行う。これにより、Fukabodyがどの様な構造を形成し、抗原を認識しているか理解できると期待される。 また、次世代シークエンスの解析を行い、抗原特異的なFukabodyの選抜過程を配列情報としてトレースしたい。
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