研究実績の概要 |
平成29年度は山縣研究室から提供いただいたマウス胚3次元蛍光顕微鏡画像から核のみをセグメンテーションするアルゴリズムの実装を行った。前年度の実装結果を反映し、セグメンテーションアルゴリズムには多層のニューラルネットワークから構成される深層学習を用いた。学習に用いるデータセット作成においては、マウス胚4次元蛍光顕微鏡画像から4細胞期のある 1 time point のみを切り出し、それに伴う正解データ(セグメンテーション画像)を手動で作成した。また、取得された3次元蛍光顕微鏡画像はZ軸方向の解像度がXY軸方向の解像度と比較して粗いため、蛍光顕微鏡画像を単純に3次元再構成を行った際には実際の胚と異なる形状となってしまう問題があった。そこでXY軸、Z軸の解像度を合わせるために顕微鏡画像および正解データに対してZ軸方向の補間を行った。学習器の実装においては、深層学習アルゴリズムとして Convolutional Neural Network をベースに3次元セグメンテーションアルゴリズムを実装した。 実装した3次元セグメンテーションアルゴリズムのセグメンテーション精度を評価するため、異なる time point における細胞期(4, 7, 8, 9, 13, 14)の画像を用いて検証を行った。評価に用いた画像は学習データに含まれていないため、同アルゴリズムが汎化性の高い学習が行われているか(一般的な核の形状的特徴を学習できているか)を確認することが出来る。当該年度に実装したアルゴリズムは4細胞期のデータのみ学習させた学習器にもかかわらず、異なる細胞器を含めたセグメンテーションにて平均精度 98.74% (voxel accuracy) を達成した。
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