研究課題
前年度の実装および評価により得られた知見をもとに、平成31年度は実装した学習器の精度向上を目指し、異なる細胞期画像の学習や、ハイパーパラメータのチューニングを行った。また、セグメンテーション評価としてセマンティックセグメンテーションの指標である IoU だけでなく、本研究課題の最大の特徴と言えるインスタンスセグメンテーションの指標(SEG, MUCov)による評価を行った。インスタンスセグメンテーションとは、隣り合うオブジェクトがあった場合にも正確にオブジェクト同定を行えるアルゴリズムを指す。精度評価の結果、一般的なセグメンテーションの指標であるIoUは、先行研究である3D U-Netが 0.823 であるのに対し、今研究課題にて開発を行った QCANet では 0.824 と僅かながら上回った。一方で、密集したオブジェクトに対するセグメンテーション精度の指標である SEG, MUCov での比較では、先行研究(3D U-Net)が 0.648 であったのに対し、QCANet は 0.776 と大幅に凌駕することに成功した。また、MUCov においても先行研究(3D U-Net)が 0.723 であるのに対し、QCANet は 0.811 であり、2つの指標からも当研究課題で開発を行った QCANet は高精度にインスタンスセグメンテーションが可能であることが示された。上記セグメンテーション精度の確認を行った後、近畿大学山縣研究室から提供していただいた受精直後から50細胞期まで発生が進んでいるマウス胚時系列3次元蛍光顕微鏡画像を用いてマウス発生過程における定量的指標の獲得を行った。その結果、正常胚、異常胚を見分けることが可能な定量的指標の示唆を得た。上記本研究課題により得られた知見をまとめ、現在学術論文誌に投稿中である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
PLOS ONE
巻: 14 ページ: e0221245
10.1371/journal.pone.0221245
Applied Sciences
巻: 9 ページ: 5503
10.3390/app9245503
https://github.com/funalab/QCANet