研究課題/領域番号 |
16H04739
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小布施 力史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00273855)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | エピジェネティク / ヘテロクロマチン / クロマチン高次構造 |
研究実績の概要 |
構成的ヘテロクロマチンと条件的ヘテロクロマチンは、異なる構成因子やエピゲノムマークを使用していること、かたやテロメアやセントロメアなどの染色体の意地伝達に、かたや発生・分化に関与する遺伝子発現制御に機能することから、全く異なるものとして議論されてきた。しかしながら、申請者らの研究成果などから、互いに代替可能で共通の構成要素や機能を持つこと、また、互いに連携して働きうることを示す知見が蓄積している。本課題では、構成的、条件的ヘテロクロマチンの機能構造をそれぞれについて明らかにし、その共通点と相違点を理解することを目的とした。 本年度は、高次構造の検出方法について検討を行った。これまでに、不活性X染色体のヘテロクロマチン構造を等間隔に配置したDNAプローブを用いたDNA FISHにより検出することに成功している。この系で、HBiX1-SMCHD1を細胞から除去することにより、不活性X染色体の凝縮ー脱凝縮が観察することができる。しかしながら、HBiX1-SMCHD1パスウェイによるヘテロクロマチンを阻害しても転写発現は回復しないことから、このパスウェイ以外のクロマチン高次構造の存在が示唆される。、理研CDB平谷博士らにより複製開始時期とトポロジカルドメインとの間に相関があることが示され、Hi-C技術と比べて比較的簡便にクロマチン高次構造が検出できる方法であると考えられた。実際に、平谷らから技術導入を行い、ヒト細胞においてSMCHD1を機能阻害すると、不活性X染色体上の一部の領域で複製時期に変化が見られ、高次構造変化をマッピングするためのFISH以外の方法として適していることが明らかとなった。今後、構成的、条件的それぞれのヘテロクロマチンについて、FISH法と複製開始時期の両方を併用したクロマチン高次構造の評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究により、クロマチン高次構造を解析できる系が揃いつつあり、構成的ヘテロクロマチンと条件的ヘテロクロマチンの構造を異なる方法で評価し、展開できることから、解析全体の計画は概ね順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
HP1、SENP7、KAP1、SMBP1、SETDB1、SETDB2を機能阻害した時のクロマチン構造変化を、複製時期解析、FISH法による解析、ヘキストの輝度の解析について行い、SMCHD1、HBiX1を機能阻害した時と比較しながら、それぞれ因子のクロマチン高次構造に対する影響を検討する。
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