細胞内Ca2+濃度は、小胞体膜に存在するCa2+ポンプであるSERCAにより組織特異的に制御されるが、その制御機構を原子構造に基づいて理解することが本研究の最終目標である。骨格筋特異的なSERCA1aのみならず、心筋特異的なSERCA2a、house-keepingポンプで小胞体での蛋白質品質管理に密接に関連するSERCA2b、近年その機能の重要性が明らかになりつつあるSERCA3といった、生物学的・医学的に重要で疾患とも密接に関連する他アイソフォームまで対象を広げ、その結晶解析を手がかりに、組織特異的な細胞内Ca2+制御機構の理解へ向けた構造的研究を目指した。
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