平成29年度は、高速AFMを用いて、MyD88のTIRドメインとDeathドメイン(DD)の分子内相互作用を検証した。AFM画像において、MyD88分子の多くは、二つの極大部位を持った一つの塊として観察された。これらは、TIRとDDが分子内で強く結合した像だと考えられる。また、その他に、二つの粒子が並列した画像も得られたが、これらはTIRとDDが解離した状態のものだと思われる。分子内のTIR-DDのドメイン間距離を集計したところ、二つの正規分布の和でフィットできた。各々が、Open型およびClose型の分子に対応すると考えられる。 続いて、TIR-DD相互作用部位に変異を入れたところ、ドメイン間の距離分布は、Closed型のみとなった。以上の結果から、MyD88は分子内でTIRとDDが結合したClose型と、結合していないOpen型の二つの状態を取ることがわかった。このOpenとCloseのスイッチングがMyD88の活性制御に繋がる可能性があることが示唆された。
IL-18の活性阻害ペプチドについては、IL-18への結合に必須だと考えられるアミノ酸配列を同定した。また、in vivoにおいて炎症を軽減する効果があることを確認した。
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