研究課題
本研究は、「RNA修飾酵素がどのようにして、RNA分子種・部位特異的に作用するのかを解明する」ことを究極の目標としています。平成30年度は、3年計画の最終年度にあたります。本年度は、葉酸依存性tRNAメチル化酵素のtRNA修飾ネットワークにおける役割の研究から派生して、細胞内の葉酸代謝経路の中でtRNAメチル化酵素はどのぐらいの葉酸誘導体を消費するのかについて報告しました。また、好熱菌のtRNA修飾と修飾酵素およびThermus thermophilusのtRNA修飾の制御因子に関する2つの総説を発表しました。他に、(1)超好熱菌が高温環境で生育する上で2, 2-ジメチルグアノシンの修飾が必須なこと、(2)真核生物のマルチサブユニットtRNAメチル化酵素Trm7-Trm734の認識部位が、アンチコドンアームの修飾とその配列だけでなく、D-アーム上にも存在し、それがTrm734との接触領域となっており、それらを考慮すると、少なくとも酵母の場合はすべてのtRNAの修飾パターンの説明がつくこと、また、Trm734は従来知られていなかったWD40リピートを3つ持つタンパク質であること(3)真核生物のTrm11-Trm112は、メチル化部位(G10)の周辺領域だけでなく、アンチコドンアーム領域をTrm112を介して認識することなどを論文としてまとめ、投稿しましたが、いずれも現在、追加実験求むの裁定になっており、詰めを急いでいます。理化学研究所・横浜研究所との共同研究では、(1)サブユニットを解離させずにヒトm6Aメチル化酵素複合体を調製することができ、(2)16S リボソーマルRNAのシュードウリジル化が少なくとも2つの遺伝子産物によることを明らかにしましたが、未報告の状態です。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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