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2016 年度 実績報告書

ダイニンのスタック構造と運動制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 16H04772
研究機関東京大学

研究代表者

豊島 陽子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40158043)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードダイニン / stack構造 / 1分子FRET観察 / 自己抑制状態
研究実績の概要

ダイニンは2つの頭部を重ね合わせたstack 構造をとるときに、微小管に沿った一方向性の運動を行わない自己抑制状態にあると考えられているが、先行研究においてはダイニンの頭部の状態の動的な構造変化の観測はお子なられおらず、それぞれの構造の継続時間などは明らかになっていない。本研究では、1分子FRETの観測系の構築と、観察に適した資料の作成を行った。
1分子FRETを観測するために、全反射顕微鏡とCCDカメラの間に2光路分岐の光学系を構築した。蛍光標識した組換えタンパク質を用意して、その観測系の特性を調べ、観測可能であることを確認した。
ダイニンの2頭間の相互作用をFRETによって検出するために、それぞれのモータードメインを別の蛍光色素で標識する必要があり、そのために二量体かタグを用いて単量体のダイニンD425をヘテロ二量体化させた。このダイニンを電子顕微鏡で観察したところ、stack構造とseparate構造を観察することができ、資料として適格であることを確認した。
この組換え体ダイニンをADP・Vi条件下で1分子FRET観察をしたところ、FRETを起こしていると考えられるデータが得られた。FRET効率のヒストグラムから、効率が0.8~1.0付近と、0.5~0.6付近の1箇所にピークがあり、これは、FRET効率の異なる2つの状態、すなわちダイニンのstack構造とseparate構造の間の変化が観測されていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1分子FRETを観測するための光学系を構築し、コントロール資料で1分子FRETの観測に成功した。さらに、ダイニンの頭部構造の状態変化を表すものと考えられる2種類のFRET強度を観察することができた。

今後の研究の推進方策

本研究では、ダイニンのモーター頭部に導入した2色の蛍光色素間においてFRETが起こったと考えられるデータが得られた。しかし、ダイニン分子がたぶんしかしている可能性があり、観測したデータが1分子内でのdonor分子とacceptor分子の間で起こったFRETであるかどうかを入念に検証する必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Somgle molecule FRET observation of cytoplasmic dynein’s conformational change2016

    • 著者名/発表者名
      Mikiya Sakata, Takuya Kobayashi, Mitushiro Sugawa, Tomohiro Shima, Junichiro Yajima, Yoko Y. Toyoshima
    • 学会等名
      第54回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Actomyosin contraction with a contraction ring related cross-linker in an in vitro active gel model system2016

    • 著者名/発表者名
      Kyohei Matsuda,Takuya Kobayashi, Mitsuhiro Sugarwa,Yoko Y. Toyoshima,Junichiro Yajima
    • 学会等名
      第54回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] The function of the basal body microtubules associated with intraflagellar transport (IFT).2016

    • 著者名/発表者名
      Yurika Koiso, Shin Yamaaguchi, Mitsuhiro Sugawa, Takuya Kobayashi, Yoko Y. Toyoshima, Junichiro Yajima
    • 学会等名
      第54回日本生物物理学会年会

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公開日: 2018-12-17  

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