研究課題/領域番号 |
16H04789
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
米田 悦啓 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所, 理事長 (80191667)
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研究分担者 |
岡 正啓 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 細胞核輸送ダイナミクスプロジェクト, プロジェクトリーダー (40432504)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 細胞・組織 / importin / 核輸送 / ノックアウトマウス |
研究実績の概要 |
核輸送因子importin-alphaは出芽酵母では1種類しか存在しないのに対し、哺乳動物では6-7種類のサブタイプが存在する。これらのサブタイプは輸送基質特異性を持ち、発生時期・組織特異的に発現しながら哺乳動物の高次生命機能の発現に関わっていると考えられる。また近年、importin-alphaが単に核―細胞質間輸送に携わるだけではなく、様々な細胞内部位に局在しながら核輸送以外のプロセスに関わる「多機能分子」であることが分かってきた。本研究ではimportin-alphaファミリー分子の生理的意義を明らかにすることを目的とする。平成29年度はimportin-alpha 4ノックアウトマウスの解析を中心に研究を進めたところ、同マウスは様々な行動異常を示すことが分かった。Importin-alpha 4によって輸送される核タンパク質の局在は、ノックアウトマウスの脳組織で大きな影響は見られなかった。しかしながらノックアウトマウスの脳組織では遺伝子発現異常が見いだされたため、importin-alpha 4の核輸送以外の機能異常が、遺伝子発現制御を介して行動の異常に結びついている可能性が示唆された。また、importin-alpha8のヒトホモログに対するモノクローナル抗体の取得に成功した。その結果、ヒトimportin-alpha8は核に存在しており、マウスホモログとは挙動が異なることが分かってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ノックアウトマウスの解析を進め、哺乳動物個体レベルでのimportin-alpha 4の重要性を明らかにすることが出来た。また、ヒトimportin-alpha8特異的なモノクローナル抗体の取得に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
Importin-alpha 4の脳組織における機能やその高次生命機能との関わりについての解析を進める。また、ヒトimportin-alpha8についてもその核内機能の解析を進める。
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