研究課題/領域番号 |
16H04791
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山崎 正和 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40373378)
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研究分担者 |
秋山 正和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (10583908)
鮎川 友紀 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80586165)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 発生・分化 / 細胞・組織 / 極性 / 平面内細胞極性 / PCP |
研究実績の概要 |
本年度は、Jbugグループ遺伝子の機能欠損によるDsタンパク質の発現レベルと細胞内局在への影響を解析した。本解析には、ds遺伝子座にin frameでGFPをKnock-inした系統(ds::GFP系統)と抗Ds抗体を使用し、コントロールおよび単独または複数のJbugグループ遺伝子をノックダウンした様々な発生段階の背板を用いて詳細な解析を実施した。その結果、Jbugグループ遺伝子をノックダウンした背板において、Dsタンパク質の発現レベルが微増していることが観察されたが、ds遺伝子の転写レベルの亢進ほど顕著ではなかった。また、Jbugグループ遺伝子をノックダウンすると、一部の細胞集団においてDsタンパク質の非対称局在の向きが異常になるが、詳細な解析の結果、毛の配向性異常を呈する全ての細胞でDs局在の異常が起きているわけではないことが明らかとなった。以上の結果から、Dsの発現レベルの亢進や局在異常は、Jbugグループ遺伝子の機能低下によるPCP表現型(毛の配向性異常)の直接の原因ではないと推察された。現在、他のDsグループ分子の細胞内局在等を解析している。 また、Jbugグループ遺伝子の機能低下によるPCP異常の機序を理解するため、Jbugグループ遺伝子をノックダウンした遺伝学的背景において任意の遺伝子をノックダウンまたは過剰発現し、毛の配向性異常の救済に関わる遺伝子を探索した。その結果、複数の候補遺伝子を同定することができた。現在、これらの遺伝子に着目して、Jbugグループ遺伝子の機能低下によるPCP異常の機序を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の予定通りに研究が進行し、研究目的の達成に十分な成果を得ているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、各Jbugグループ分子の機能を解析するとともに、PCP制御系全体における本グループの役割をより明確にする。
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