研究課題
ピロリン酸(PPi)の過剰蓄積によって生じる様々な発達異常の分子メカニズムを葉器官の発生段階及び組織毎に解析し、植物の代謝と発生制御におけるH+-PPaseの役割を多元的に解明することが目的である。1. PPiの蓄積がもたらす影響は組織によって異なるのではないか?(1)fugu5変異体背景の表皮で特異的に発現するPDF1pro::IPP1、または柵状組織で特異的に発現するCLV1pro::IPP1を多数作成した(2)PDF1pro::GUS及びCLV1pro::GUSの発現パターンから、それぞれ表皮細胞と柵状組織で特異的に発現していることが確認された(3)fugu5 PDF1pro::IPP1とfugu5 CLV1pro::IPP1の黄化芽生を用いたCE-TOF MS分析及びデータ解析が完了した。2. fugu5の初期成長における一時的なPPi除去能付加がもたらす影響の検証。fugu5 ICLpro::IPP1系統及びICLpro::GUS系統の作成に成功した。現在、1. と2. の成果発表に向けて学術論文の投稿準備中である。3. 孔辺細胞におけるPPi分解の役割の解明。fugu5の孔辺細胞のPPiのみを分解するGC1pro::IPP1を作成・解析した結果、気孔の閉口は野生型並み回復することが判明した。これは、正常な気孔機能に孔辺細胞内のPPi濃度調節が必要であることを強く示唆する結果である。この研究成果は学術論文にまとめて発表した(Asaoka et al., 2019)。4. 表皮細胞の発達異常はPPiと細胞骨格の総合作用で説明できるのか?(1)PPiは濃度依存的に微小管の重合反応を阻害することが明らかになった。(2)fugu5 UBQpro::EYFP-TUB6を用いてライブイメージングを行なった結果、PPiの蓄積は微小管の動態に影響を与える可能性が示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件) 備考 (2件)
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