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2016 年度 実績報告書

フィトクロムによる選択的スプライシング制御の分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H04808
研究機関九州大学

研究代表者

松下 智直  九州大学, 農学研究院, 准教授 (20464399)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードフィトクロム / 選択的スプライシング / 植物 / 遺伝子発現制御 / 光受容体
研究実績の概要

植物の主要な光受容体であるフィトクロムは、PIFと呼ばれる転写因子群を介して標的遺伝子の転写制御を行うことで、植物の光応答を引き起こすと考えられている。しかし我々は最近、フィトクロムの下流因子として新奇スプライシング因子RRC1を順遺伝学的に同定したことをきっかけに、フィトクロムが転写制御に加え、それとほぼ同じ規模で選択的スプライシング制御も行うことで、植物の光応答を引き起こすことを明らかにした。そこで本研究では、現在不明である、フィトクロムによる選択的スプライシング制御の分子機構解明を目的として、RRC1が当該制御にどのように関与するのかを明らかにし、さらに当該制御に関わる新奇因子の同定を試みる。本年度は、シロイヌナズナ芽生えの脱黄化過程において大規模なmRNA-seq解析を行うことで、野生株で見られるフィトクロムシグナル依存的な選択的スプライシングパターン変化にRRC1やRRIPが必要であることを明らかにした。さらに、フィトクロムによる選択的スプライシング制御を受ける1500ほどの標的遺伝子について、フィトクロムシグナルの有無によって変化するスプライス部位周辺のエキソンもしくはイントロン領域に濃縮される塩基配列をそれぞれ解析することで、当該制御に関わるシス配列候補を同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載の計画通り、mRNA-seq解析によってフィトクロムによる選択的スプライシング制御へのRRC1 / RRIPの関与を明らかにし、またフィトクロムによる選択的スプライシング制御の標的遺伝子に濃縮されるシス配列を同定することができたため。

今後の研究の推進方策

フィトクロムによる選択的スプライシング制御の分子機構解明を目指し、さらに今後、当該制御に関わるRRC1 / RRIP以外の新奇スプライシング因子の同定を狙う。そのために、2つの戦略で研究を進める。1つは、活性型全長フィトクロム分子に結合するスプライシング因子を網羅的に同定するという、上流からのアプローチであり、もう一つは、フィトクロムによる選択的スプライシング制御の標的遺伝子に濃縮されるシス配列に結合するスプライシング因子を同定するという、下流からのアプローチである。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] Academia Suica(Taiwan)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      Academia Suica
  • [国際共同研究] KAIST(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      KAIST
  • [国際共同研究] Lancaster University(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Lancaster University
  • [国際共同研究] University of Lausanne(Switzerland)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      University of Lausanne
  • [雑誌論文] Palisade cell shape affects the light-induced chloroplast movements and leaf photosynthesis2018

    • 著者名/発表者名
      Gotoh E, Suetsugu N, Higa T, Matsushita T, Tsukaya H, and Wada M
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 1472

    • DOI

      doi:10.1038/s41598-018-19896-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Light controls protein localization through phytochrome-mediated alternative promoter selection2017

    • 著者名/発表者名
      Ushijima T, Hanada K, Gotoh E, Yamori W, Kodama Y, Tanaka H, Kusano M, Fukushima A, Tokizawa M, Yamamoto YY, Tada Y, Suzuki Y, and Matsushita T
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 171 ページ: 1316-1325

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.cell.2017.10.018

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Negative phototaxis in M. incognita2017

    • 著者名/発表者名
      Oota M, Gotoh E, Endo M, Ishida T, Matsushita T, and Sawa S
    • 雑誌名

      International Journal of Biology

      巻: 9 ページ: 12-16

    • DOI

      https://doi.org/10.5539/ijb.v9n3p51

    • 査読あり
  • [学会発表] Light controls protein localization through phytochrome-mediated alternative promoter selection2018

    • 著者名/発表者名
      Tomonao Matsushita
    • 学会等名
      International Symposium on Plant Photobiology 2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Light controls protein localization through phytochrome-mediated selection of transcription start sites2017

    • 著者名/発表者名
      Tomonao Matsushita
    • 学会等名
      8th Asia and Oceania Conference on Photobiology
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Phytochrome globally modulates protein localization in Arabidopsis2017

    • 著者名/発表者名
      Tomonao Matsushita
    • 学会等名
      Taiwan-Japan Plant Biology 2017
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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