我々は、フィトクロムによる選択的スプライシング制御の標的遺伝子の1つであるグリセリン酸キナーゼ遺伝子が、フィトクロムシグナル依存的に転写開始点も変化させることを偶然見いだした。そしてTSS-seq解析を行い、転写開始点の位置と発現量をシロイヌナズナにおいて網羅的に解析した結果、フィトクロムが、従来から知られる転写量の制御に加えて、さらに別の2,000を超える遺伝子に対して、転写開始点の制御をも行うことを見いだした。そして多くの遺伝子において、この転写開始点の変化が、その直後の選択的スプライシングパターンの変化を引き起こすことが明らかとなった。
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