研究課題
今年度は、ソマトスタチン(SST)による胃収縮運動に対する作用を検討した。in vitro organ bath実験では、SSTはモチリン累加投与による胃収縮を抑制したが、アセチルコリン投与による収縮には影響しなかった。次に、無麻酔無拘束下のスンクスを用いてin vivoでモチリン誘発性収縮に対するSSTの効果を検討した結果、phase I期にモチリン(300 ng/kg)を静脈内単回投与するとphase III様の強収縮が見られたが、SSTもしくはそのアナログであるオクトレオチド持続投与中はモチリンの作用が抑制された。グレリン受容体拮抗薬持続投与中はモチリン誘発性収縮が抑制されることが知られているため、SST持続投与中にグレリン(300 ng/kg)とモチリン(300 ng/kg)の共投与実験を行ったが、収縮は刺激されなかった。また、食後期前半ではモチリンの胃収縮刺激作用が抑制されることが報告されているため、食後期前半における内因性SSTの関与を調べるためにSST受容体拮抗薬持続投与中にモチリンを投与した結果、胃収縮は刺激されなかった。さらに、phase II収縮に対するSSTの効果を検討したところ、SST投与はphase II収縮を減衰させ、グレリンとSSTの共投与によってもphase II収縮が抑制されることを示した。食後期前半へのSST投与でも食後期の律動的な収縮は減弱した。スンクスにSSTを投与し延髄孤束核のc-Fos免疫陽性細胞数を計数した結果、SST投与によりc-Fos免疫陽性細胞数の増加が見られた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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