動物は変態を通じて様々な側面から体を作り替える。これらの変化の正確な制御は変態の成功に必須である。変態イベントの開始・進行は神経や内分泌経路によって制御されているが、これらの因子が変態の多岐に渡る現象のタイミングを調節する仕組みはまだ分かっていない。本研究では、遊泳生のオタマジャクシ型幼生から固着性の成体へと劇的に変化を遂げるホヤを用いて、変態イベントの開始・進行を調節する仕組みの解明を行った。GABAが全変態イベントのスイッチであること、尾部吸収はGABAの下流のGnRHホルモンにより開始されること、成体構造の構築はGnRHと甲状腺ホルモンの協調的作用で進行することなどの発見をもたらした。
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