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2018 年度 実績報告書

全ての脊椎動物が共有する新規フェロモン受容体ancV1Rの機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H04820
研究機関東京工業大学

研究代表者

二階堂 雅人  東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (70432010)

研究分担者 廣田 順二  東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 准教授 (60405339)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードV1R / 脊椎動物 / 進化 / フェロモン受容体 / 鋤鼻器官 / ancV1R / 偽遺伝子化 / ノックアウトマウス
研究実績の概要

脊椎動物がもつフェロモン感覚は、生殖システムの中心的役割を果たすと考えられるが、私はポリプテルスやシーラカンスなどの古代魚から陸生哺乳類まで、ほぼ全ての脊椎動物ゲノム中に共通だと考えられる新規フェロモン受容体候補遺伝子(ancV1Rと名付けた)を発見した。本研究では進化的・分子生物学的な解析を通して、このancV1Rの機能を明らかにすることを主目的とする。H29年度には、ancV1Rが脊椎動物の進化の過程で極めて保存的であるにもかかわらず、このancV1R遺伝子はいくつかの種において偽遺伝子化していることが明らかとなり、その偽遺伝子化のパターンが鋤鼻器官の退化と強く相関していることがわかった。さらにこの問題を詳細に理解するために、哺乳類のancV1R遺伝子の大系統樹のそれぞれの枝について選択圧解析をおこなったところ、偽遺伝子化している種については非同義置換率が同義置換率よりも有意に高くなっていることが明らかとなった。これは生態的に鋤鼻器官が必要なくなった種においてancV1R遺伝子への制約の緩みが起きたためと推察され、ancV1Rが鋤鼻器官において重要な働きをしていることを示唆した。上記の発見について1報はMol. Biol. Evol.誌に論文として発表し、もう1報は現在リバイズを行なっているところである。また、ancV1R-KOマウスの作出に成功し、その表現型解析(特にKO雌個体の生殖行動異常に着目)を進めており、現在は野生個体とKO個体との違いの詳細を解析しているところである。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] A Single Pheromone Receptor Gene Conserved across 400 My of Vertebrate Evolution2018

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, H., Nishida, H., Kondo, H., Yoda, R., Iwata, T., Nakayama, K., Enomoto, T., Wu, J., Moriya-Ito, K., Miyazaki, M., Wakabayashi, Y., Kishida, T., Okabe, M., Suzuki, Y., Ito, T., Hirota, J., Nikaido, M.
    • 雑誌名

      Molecular Biology and Evolution

      巻: 35 ページ: 2928, 2939

    • DOI

      doi.org/10.1093/molbev/msy186

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolution of vomeronasal receptor 1 ( V1R ) genes in the common marmoset (Callithrix jacchus)2018

    • 著者名/発表者名
      Moriya-Ito, K., Hayakawa, T., Suzuki, H., Hagino-Yamagishi, K., and Nikaido, M.
    • 雑誌名

      GENE

      巻: 642 ページ: 343, 353

    • DOI

      doi.org/10.1016/j.gene.2017.11.048

    • 査読あり
  • [学会発表] 哺乳類ゲノム解析から探るancV1Rへの進化圧への緩みと鋤鼻器官の退化2019

    • 著者名/発表者名
      二階堂雅人
    • 学会等名
      第6回 ケモビ研究会
  • [学会発表] 古代魚におけるフェロモン受容器官の探索2019

    • 著者名/発表者名
      佐久間敦丈、二階堂雅人
    • 学会等名
      第1回遺伝学会分科会
  • [学会発表] 広範な脊椎動物に共通に存在するフェロモン受容体遺伝子の進化解析2018

    • 著者名/発表者名
      依田涼太、鈴木彦有、岩田哲郎、廣田順二、二階堂雅人
    • 学会等名
      日本進化学会第20回大会
  • [学会発表] 脊椎動物ゲノム探索から明らかとなったフェロモン受容体 V1Rの多様性の起源2018

    • 著者名/発表者名
      依田涼太、二階堂雅人
    • 学会等名
      日本進化学会第20回大会
  • [学会発表] 脊椎動物の4億年以上に渡る進化の過程で保持されてきたフェロモン受容体2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木彦有,佐久間敦丈,依田涼太,岡部正隆,伊藤武彦,廣田順二, 二階堂雅人
    • 学会等名
      第8回 Tokyo Vertebrate Morphology Meeting
  • [学会発表] A single pheromone receptor gene shared among most bony vertebrates2018

    • 著者名/発表者名
      Nikaido, M., Suzuki, H., Ito, T., Hirota, J.
    • 学会等名
      SMBE 2018
    • 国際学会
  • [備考] 二階堂研究室

    • URL

      http://www.nikaido.bio.titech.ac.jp

  • [備考] ほぼ全ての脊椎動物に共通するフェロモン受容体を発見

    • URL

      https://www.titech.ac.jp/news/2018/042562.html

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公開日: 2019-12-27  

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