研究課題
基盤研究(B)
イネの葉はハスと同等の極めて高い撥水性(超撥水性)を示す。この超撥水性の発現メカニズムを様々な観点から明らかにした。まず、イネの葉において葉身向軸側が最も撥水性が高いこと、撥水性は環境条件によって変化することなどを明らかにした。また、撥水性が低下した濡れ葉変異体を用いることによって、複数のワックス合成に関わる遺伝子がイネの撥水性に重要であることを明らかにした。また、様々な種類のイネの撥水性を調査することによって、多くのイネの栽培種は高い撥水性を示すことを明らかにした。
植物分子育種学
超撥水性は植物の耐病性や光合成効率の上昇に寄与すると考えられる。本研究で得られた成果によって植物表面の撥水性を制御する基盤的知識を得ることができた。これを利用して、作物における病原体による初期感染の予防や、汚れの洗浄効果による病原体の感染リスクの低下、光合成効率の上昇が期待できる。また、イネにおけるワックス合成遺伝子の解明により、イネワックスの改変や増産の可能性も期待される。