作物個体群の上層部と下層部では光環境が大きく異なる。イネ科C4作物のトウモロコシ個体群における光合成の光順応機構を明らかにするために、遮光実験により誘導した陽性陰性葉の光合成特性の反応、個体群下位葉の弱光順応、および葉層別光合成量を調査した。個体群の成長に伴い光環境が大きく変わる下位葉は、光環境への独特な再順応を行うことを明らかにした。また、トウモロコシ個体群では、かなりの葉が弱光に曝されているが、個体群全体の光合成に対して少なからず寄与していることを示した。一方、耐陰性イネ科C4植物は、葉の光合成特性や形態を弱光に適応させていることを見出した。
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