研究課題/領域番号 |
16H04879
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中原 健二 北海道大学, 農学研究院, 講師 (90315606)
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研究分担者 |
山田 哲也 北海道大学, 農学研究院, 講師 (70374618)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 植物自然免疫 |
研究実績の概要 |
1)(代表者)シロイヌナズナ各rgs-CaMパラログの役割。以前の我々の研究で、rgs-CaMはキュウリモザイクウイルス(CMV)のRNAサイレンシング抑制タンパク質2bの受容体としてサリチル酸(SA)防御反応を誘導し、さらに全身獲得抵抗性誘導後に2bをオートファジーによる分解に導くことでCMV感染を阻害する実行因子として働くことが示唆された。シロイヌナズナのrgs-CaMパラログCML37、38 、39ノックアウト変異体への接種試験、今年は特に二重変異体への接種試験により、昨年報告したCML39に加えてCML37とCML38もCMV感染を阻害する防御遺伝子として働くことが示唆された。一方、灰色カビ病菌に対しては、傷によるプライミング誘導後に、これら三つのCMLが灰色カビ病の感染を促進するよう働くことを見出した。2)(代表者)シロイヌナズナの各rgs-CaMパラログの役割の背景メカニズムの解明。昨年からシロイヌナズナの各rgs-CaMパラログノックアウト変異体をゲノム編集技術CRlSPR/Cas9により作り直すこととそれらの過剰発現形質転換体を作成する作業を進めているがまだ完成には至らなかった。3)(代表者と 分担者)昨年に引き続きトマトでrgs-CaMパラログの役割・機能解析と新たな育種戦略の例証を行うための準備として、ゲノム編集技術CRIPSR/Cas9を用いたトマトのrgs-CaMパラログ4遺伝子の破壊株の作製に取り組み、2遺伝子の破壊株の作製を完了した。また、昨年確立したジャガイモのrgs-CaMパラログの破壊のための形質転換体30系統について解析を進め、28ラインでgRNAとCas9の発現カセットが組み込まれていることを確認し、標的の二つのジャガイモrgs-CaMパラログに変異が導入されていることを制限酵素処理により確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、全身獲得抵抗性におけるrgs-CaMパラログそれぞれの役割と背景の分子メカニズムを解明すること、さらにそれを利用して抵抗性育種に利用できることを示すのが主な目的である。当初の仮説とは少し違うが、rgs-CaMパラログが灰色カビの感染を促進するよう働くことを見出した。この性質を利用して、予定通りに、次の最終年度に、シロイヌナズナに加えて、トマトやジャガイモで、rgs-CaMパラログのノックアウトにより灰色カビ抵抗性を付与する新たな抵抗性戦略の例証をできると思われるからである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの3年間の研究で明らかにしたシロイヌナズナの各rgs-caMのウイルス・灰色カビ病防御における役割を明らかにすることが出来た。最終年度で、rgs-CaMパラログの下流で働く因子の同定を試みて背景の分子メカニズムの解明を進める。また、当初の仮説とは少し違うが、シロイヌナズナでrgs-CaMパラログが灰色カビの感染を促進するよう働くことを見出した。この性質を利用して、次の最終年度に、シロイヌナズナに加えて、トマトやジャガイモで作成したrgs-CaMパラログのノックアウト株を用いて灰色カビ抵抗性を付与する新たな抵抗性戦略の例証を試みる。
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