研究課題
Red clover necrotic mosaic virus(RCNMV)感染Nicotiana benthamiana植物の細胞中でRCNMV移行タンパク質と相互作用する因子として免疫沈降法によってAngustifolia (AN)タンパク質が単離されていた。この遺伝子配列の断片を含むヘアピン型RNAを発現するバイナリーベクターを作製し、Agrobacteriumに導入し、N. benthamiana植物を形質転換し、AN遺伝子のサイレンシング系統の作出を試みた。AN遺伝子断片を導入した形質転換植物は2系統得られた。これらには表現型は無く野生型植物と同じであった。これらの形質転換植物におけるANのmRNA蓄積レベルをReal Time RT PCRによって調査したところ、コントロールのベクター形質転換植物におけるmRNA蓄積レベルと比較して、1系統は15%、もう1系統は約70%程度に低下していることがわかった。以下、gsAN植物とする。gsAN植物に、GFP遺伝子を導入した組み換えRCNMV(RCNMV-GFP)を接種したところ、幾つかの個体ではコントロール植物と比較して、GFP蛍光の広がりが増すことが分かった。AN遺伝子の全長cDNAをクローニングしてN. benthamiana植物に一過的に過剰発現させた後にRCNMV-GFPを接種するとGFP蛍光の広がりはコントロール植物における広がりよりも抑制されることがわかっており、AN遺伝子はRCNMVの増殖を抑制する働きを有する可能性があると考えられた。AN過剰発現系統形質転換N.benthamiana植物と、さらに多数のgsAN系統の作出を進めており、合わせてANの細胞内局在やMPとの相互作用について今後調べる予定である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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