研究課題
1.MoSETl上流因子の探索(担当:神戸大学)いもち病菌は外界からのシグナルを受容して、感染行動を開始し、MoSETlによる遺伝子発現制御を受け、感染器官の形成や侵入行動を可能とする。MoSET1の上流因子の候補としていもち病菌のMAPKであるPmk1があり、MoSET1との相互作用が、酵母ツーハイブリットアッセイで示されている。今回、Pmk1のキナーゼ活性化ドメインの変異体を作製し、それとMoSET1の結合をアッセイした所、ドミナントネガティブ型のPmK1ではより強い結合が、また恒常的活性型のPmk1では結合が弱くなることが示された。これは基質とキナーゼの結合様式として、よく見られるものであり、今後はin vivoにおけるPmk1とMoSET1の結合について調査をさらに進める予定である。。2.MoSETlの下流遺伝子制御カスケードの解明(担当:神戸大学、立命館大学)これまで当研究室におけるRNA-seqおよびChlP-seq解析の結果、感染器官形成時にH3K4のメチル化レベルが変動する遺伝子が約400個同定された。これに含まれる転写因子およびタンパク質リン酸化酵素に着目し、順次遺伝子破壊株を作製し、その機能解析を行っている。本年度も、これを継続しているが、C6ジンクフィンガードメインを有する転写因子MGG_00494の破壊株で付着器形成率が大幅に低下し、この転写因子がいもち病菌の形態形成に重要な役割を果たしていることが示された。また、MGG_00472は他の真菌における解析から致死遺伝子であることが想定され、実際に欠失破壊株を得ることができなかった。そこで遺伝子サイレンシングによる解析を行った結果、付着器形成に異常は認められなかったが、病原性が低下しており、本菌の病原性に関与することが示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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