• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

昆虫媒介性病原体のホストスイッチング機構の解明と新規防除技術に向けた基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 16H04885
研究機関法政大学

研究代表者

大島 研郎  法政大学, 生命科学部, 教授 (00401183)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードファイトプラズマ / ゲノム / 宿主
研究実績の概要

ファイトプラズマ(Candidatus Phytoplasma属細菌)は昆虫媒介性の植物病原細菌であり、植物宿主と媒介昆虫との2つの宿主間を水平移動するホストスイッチングにより感染を拡大する。昆虫によって媒介される植物病原体は、地球温暖化とともにその感染範囲を拡大させており、こうした病気を防ぐことが近年の重要な課題となっている。本研究ではファイトプラズマが宿主を操作する分子メカニズムに焦点を当て、宿主の細胞機能を制御するホストマニピュレータータンパク質の機能を解析する。ファイトプラズマは植物・昆虫の細胞内に寄生するため、ファイトプラズマから分泌されたタンパク質は宿主の細胞質で直接的に機能する。分泌シグナルを持つタンパク質は宿主を操作するホストマニピュレーターの最有力候補であるため、ファイトプラズマゲノム上にコードされる分泌タンパク質を探索し、その機能を解析する。令和元年度は、花器官形成に関わるMADSドメイン転写因子に結合し、分解を誘導して花器官の葉化を引き起こすPHYL1タンパク質の立体構造解明を試みた。大腸菌で発現させたPHYL1を精製し、蒸気拡散法により結晶を得た。X線結晶構造解析の結果、PHYL1はループで繋がれた2つの両親媒性αヘリックスからなるcoiled-coil構造を有することが明らかとなった。各αヘリックスに2つのアラニンを挿入した変異体を作出し、機能を解析したところ、いずれのαヘリックス変異体もMADSドメイン転写因子への結合能を喪失していた。また、MADSドメイン転写因子SEP3と各変異体を植物細胞内で共発現させたところ、いずれのαヘリックス変異体もSEP3分解能を示さなかった。以上より、2つのαヘリックスがPHYL1の機能に重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of phyllogen, a phyllody-inducing effector protein of phytoplasma.2019

    • 著者名/発表者名
      Iwabuchi, N., Maejima, K., Kitazawa, Y., Miyatake, H., Nishikawa, M., Tokuda, R., Koinuma, H., Miyazaki, A., Nijo, T., Oshima, K., Yamaji, Y. & Namba, S.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun.

      巻: 513 ページ: 952-957

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2019.04.060

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural analysis of phyllogen, a phyllody-inducing effector, revealed the importance of two conserved-helices.2019

    • 著者名/発表者名
      Kitazawa, Y., Iwabuchi, N., Maejima, K., Miyatake, H., Nishikawa, M., Tokuda, R., Oshima, K., Yasuyuki, Y. & Namba, S.
    • 雑誌名

      Phytopathogenic Mollicutes

      巻: 9 ページ: 127-128

    • DOI

      10.5958/2249-4677.2019.00064.1

    • 査読あり
  • [学会発表] Poinsettia branch-inducing phytoplasmaの分泌タンパク質POSE4は転写因子TCP2の分解を促進する2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 愛, 前島健作, 大島研郎
    • 学会等名
      平成31年度日本植物病理学会大会
  • [学会発表] ジャスモン酸がファイトプラズマの増殖に与える影響の解析2019

    • 著者名/発表者名
      三部貴裕, 西村真平, 首藤ちはる, 前島健作, 大島研郎
    • 学会等名
      平成31年度日本植物病理学会大会
  • [図書] Phytoplasmas: Plant Pathogenic Bacteria - III2019

    • 著者名/発表者名
      Assunta Bertaccini, Kenro Oshima, Michael Kube, Govind Pratap Rao
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      Springer, Singapore
    • ISBN
      978-981-13-9631-1

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi