水田土壌における土壌有機炭素(SOC)、畑に施用された厩肥とバイオ炭の中長期的な安定化の機構および火山灰による黒色腐植物質の生成を明らかにすることを目的とした。長期水田利用は、マクロ団粒へのSOCの蓄積を促すが、その際鉱物結合型SOCとともに易分解性Cも増えることが明らかになった。29年の厩肥連用期間中に、SOCの構造的あるいは蓄積形態の変化による安定性の増大は認められなかった。バイオ炭は施用5~7年後に33~89%が残存しており、一部に粘土との結合による安定化が認められた。火山灰と腐植化度が低いフミン酸との培養では、60oCにおいて黒色度の増大とともに縮合芳香環含量の増大が示唆された。
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