研究課題/領域番号 |
16H04895
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 顕 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10207863)
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研究分担者 |
吉田 健一 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (20230732)
矢嶋 俊介 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (90301548)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 枯草菌 / L-glucose / inositol / 醗酵生産 |
研究実績の概要 |
1. 枯草菌宿主の改良 枯草菌inositol代謝系遺伝子のうち、myo-inositol dehydrogenaseをコードするiolG、scyllo-inositol dehydrogenaseをコードするiolW及びinositolの取り込みに関与するiolT以外の遺伝子を破壊した株をベースに、iolWの欠損変異を導入した株を作製した。この株はmyo-inositolを取り込み、inososeへと変換することができるが、その後のinositol代謝がブロックされている。この株をL-glucose生産の宿主として用いることとした。 2. iolMNオルソログ・lgnHの枯草菌内での大量発現系の構築 DniiolM, AhyiolN, lgnHの各遺伝子及びそれらのコドンを枯草菌に最適化した遺伝子(Bs)をpHT255にクローン化し、枯草菌内での発現を試みた。C末端に付加したStrep-tagを用いたWestern-blottingの結果、DniIolMはnativeな遺伝子を導入した場合に著量生産され、そのBs遺伝子からの生産量はやや減少していた。それに対してAhyIolNのnative遺伝子及びlgnHのBs遺伝子はかろうじて検出可能な程度の少量だけ生産されることが判明した。AhyiolN及びlgnHについては発現量の増大を図る必要があることが判明した。 3. 酵素改変によるL-gluconate reductaseの創製 L-glucose dehyrogenaseをこコードするLgdAについて、L-glucono-lactoneとの共結晶を作成し、X線結晶構造解析により詳細な構造情報を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
枯草菌宿主の改良については、myo-inositolを取り込みinososeへと変換するが、その後の代謝が起こらない変異株を作製したので、おおむね順調に進展している。 iolMNオルソログ・lgnHの枯草菌での発現については、それぞれの遺伝子の発現は確認できたものの、iolN及び1gnHの発現量の増大を今後検討する必要があることが明らかになった。 LgdAの結晶構造については、詳細な立体構造を明らかにすることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね当初の研究計画通りに推進していくが、iolN及びlgnHの発現量の増大を図ることを重点的に行う必要がある。具体的には、枯草菌由来の強力プロモーターを利用して、その下流にこれらの遺伝子を接続し、発現量について検討を行っていく予定である。
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