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2016 年度 実績報告書

シデロフォアを利用したケイ素取り込み系の実証

研究課題

研究課題/領域番号 16H04900
研究機関広島大学

研究代表者

池田 丈  広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (10505754)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード細菌 / 胞子 / ケイ素
研究実績の概要

一部のBacillus属細菌は胞子形成期に培地中のケイ酸(Si[OH]4)を取り込み、その重合体であるシリカ(SiO2)を胞子殻上に蓄積する。シリカ層が形成された胞子は、酸や塩素に対する耐性が向上しており、胞子表面のシリカ層が酸などに対する防壁として機能していると考えられた。これまでの研究により、取り込んだケイ酸をシリカへと重合するプロセスに関与するタンパク質を発見したが、本菌がケイ酸を取り込むメカニズムは不明であった。一方、天然の鉄キレート剤であるシデロフォアの一種であるエンテロバクチンをケイ酸と反応させると、シデロフォアがSiとも錯体を形成することが最近報告されたが、その生理学的な意義は不明であった。我々は、シリカ蓄積細菌が外部からのSiの取り込みや細胞内におけるSiの可溶性の維持にシデロフォアを利用しているのではないかと予想し、本研究ではこの仮説を実験的に検証することを目的とした。
本研究のモデルとして用いたBacillus cereusは2種類のシデロフォアを有することが知られている。これらのシデロフォアがSiの取り込みや可溶性の維持に関与している可能性を検証するため、それぞれのシデロフォアについて合成系と輸送系の遺伝子を個別に破壊した。構築した破壊株についてケイ酸取り込み能の評価を行った結果、2種類のシデロフォアのうち一方の合成系遺伝子を破壊した株では、ケイ酸取り込み量が顕著に低下した。一方、その輸送系遺伝子を破壊しても、ケイ酸取り込み量に変化は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は目的の遺伝子破壊株の作成や評価を行うなど、おおむね当初の計画通りに進展している。

今後の研究の推進方策

Siの取り込み、あるいは細胞内でのSiの可溶化の維持にシデロフォアが関与していることを直接的に証明するために、菌体と培養液上清からのシデロフォアの単離を行い、キレートされている元素の同定を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Bacillus属細菌のシリカ蓄積メカニズムの解析2016

    • 著者名/発表者名
      池田 丈, 本村 圭, 田中 達也, 廣田 隆一, 黒田 章夫
    • 学会等名
      環境バイオテクノロジー学会2016年度大会
    • 発表場所
      広島県民文化センター
    • 年月日
      2016-06-13 – 2016-06-14

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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