研究課題
人知を超えた構造と強い生理活性から天然化合物は創薬シード探索源として重要である。近年、微生物のゲノム解読が進展し、様々な二次代謝産物の生合成遺伝子クラスターが見出されているが、これらに含まれるユニークな酵素遺の機能を最大限に活用し創薬シード化合物を生産することがポストゲノム時代の重要課題である。我々は、骨関連疾患治療薬として注目されているリベロマイシンA (RM-A) 生産菌の全ゲノム解読及びRM-A生合成遺伝子群の解析により、ポリケチド骨格形成の鍵となる遺伝子群及び未知生合成反応を触媒する新奇酵素群を見出した。本研究では、化合物の構造形成に重要なポリケチド合成酵素、及び難化学合成反応を触媒する生合成酵素群の機能解明により、新規天然化合物の創出基盤の構築を目指している。RM-A生合成遺伝子クラスター全長をBACベクターに導入後に、放線菌を用いた異種発現およびポリケチド合成酵素 (PKS)の改変を検討した。また、RM-A生合成の最終段階は、RM-T1からRM-Aへの3級水酸基のエステル化である。この反応は有機合成では15000気圧が必要な非常に困難な反応である。詳細な反応メカニズムを解明するために、生化学反応により機能同定した3つの酵素を精製し結晶化を検討した。その結果、X線結晶構造解析に成功した。本研究助成によって、ポリケチド骨格形成から修飾反応に至るRM生合成研究を大きく推進し、新規天然化合物創出に向けた知見を得ることが出来た。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
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