研究実績の概要 |
前年度までに2種類の脂質の修飾を受けることが示されたCBL5は25種類のCIPKキナーゼと相互作用する可能性がある.CBL5の相互作用に関してyeast two hybrid法により蛋白質間の相互作用を調べた.CIPK1,11, 24とは相互作用用を示したが,CIPK2, 3, 22, 23とは相互作用しないことが明らかとなった.CBL5とCIPK1,11, 24の相互作用をBimolecular fluorescence complementation法を用いて検討した.両タンパク質をアフリカツメガエル卵母細胞やタバコ細胞(Nicotiana Benthamiana)に発現させることにより細胞膜への移行またはオルガネラにとどまるかについて検討した.その結果,この3種類のすべての組み合わせで相互作用し,この複合体が細胞膜に移行することが明らかになった.続いてCBL5の非脂質修飾部位置換体(CBL5-C3S,CBL5-C5S)および野生型を導入して脂質修飾の影響を検討した.CBL5-C3Sは細胞膜への移行が阻害されたが,CBL5-C5Sは比較的,野生型に似ていた.パルミトイル化はCys3を標的として生体膜への移行が行われることが分かった.以上の結果は,パルミチン酸修飾が必須であることが明らかとなった. CPK5とCIPKがSLAC1をリン酸化して輸送活性が調節されることが予想された.実際にリン酸化を示すために,リン酸化が生じると予測されるSLAC1の細胞内領域のHisタグ融合タンパク質を大腸菌で発現させてNiカラムで精製した.その後,32P-ATPを用いたin-gelアッセイによってリン酸化の検出を行ったところ,SLAC1のリン酸化を検出した.
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