今後の研究の推進方策 |
29年度は以上の4系統について、詳細な性状解析、特に骨組織、軟骨組織の解析に注力するとともに、25(OH)D3、1a,25(OH)2D3、24,25(OH)2D3の投与効果を評価する。また、以下のダブルノックアウトラットの系統を確立する。 ①CYP27B1とCYP24A1ダブルノックアウトラットの作製。①と②の交配で得られたF1同士の交配により1/16の確率で産まれる。内在性の1a,25(OH)2D3の作用およびCYP24A1による代謝の影響を受けずに、25(OH)D3、24,25(OH)2D3および種々のビタミンD誘導体の生理作用を評価できる。②CYP27B1とVDRダブルノックアウトラット(CYP27B1・VDR-二重KO)の作製。①と③の交配により作製する。VDR-KOマウスにおいてはVDRを介したCYP27B1遺伝子の発現抑制機構が解除されるため、血中の1a,25(OH)2D3濃度が上昇する。したがって、VDR-KOラットにおいては1a,25(OH)2D3のgenomic作用が見られず、nongenomic作用が顕著に現れるはずである。一方、VDR-KO・CYP27B1-二重KOラットは、1a,25(OH)2D3のgenomic、nongenomic作用ともに見られないことからVDR-KOラットとの比較により、1a,25(OH)2D3 のnongenomic作用が明らかになると推測している。一方、研究分担者の橘高は28年度の成果を踏まえ、さらに新規な誘導体の作製を試みる。
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